ベルギー戦に向けて調整するFW浅野拓磨

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 10日のブラジル戦(1-3)で後半開始から途中出場した日本代表FW浅野拓磨(シュツットガルト)。試合終了間際、DF酒井宏樹のクロスに合わせ切れず、決定機を生かせなかった悔しさはあるものの、アグレッシブなチェイシングと相手の裏を狙うプレーは、沈黙のまま前半を終えたハリルジャパンの攻撃に一筋の光を差し込ませたように見えた。

 中3日で迎えるベルギー戦をどう戦うか。浅野は、ブラジル戦の後半に見せたスタイルで挑めるかどうかがカギになると考えている。

「前から行くということは、ブラジル戦の前半から監督も言っていたし、ベンチからもそういう声が出ていた。僕自身は前半をベンチで見たことで、自分が入ったときのイメージを持ちやすかったと思う」

 慣れないビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定からPKを与えて失点したことで動揺をにじませるチームメイトを見て奮い立ち、それが功を奏した部分もあった。

「負けていたから失うものはないと思って臨んだし、ブラジルを相手に自分がどこまでできるかという楽しみだけを持って入った。プレスに行って抜かれたら仕方ないくらいの開き直った状況でやったことが、逆にアグレッシブさにつながったかなと思う」

 ベルギーに関してはまだ映像を見ていないと言うが、「ブラジルと同様、一人ひとりの個の能力は高いチーム。真っ向勝負でぶつかってもなかなかかなう相手ではないと思っている」という印象はある。その中で浅野が表現したいことは、「勝ち負けどうこうではなく、持っているものをすべてぶつけることが大事。持っているものを積極的にぶつけて、ピッチに出たら、走れなくなるくらい走りたい」ということだ。

 親善試合であることを生かしたいという思いもある。「まず、立ち上がりから前からどんどんボールを奪いに行く。それをスタートからやっていったときにどういうゲームになるのか。やっぱり難しかったと感じるかもしれないけど、それを試すのも大事だと思う」。積極的にトライできると思えるのは、浅野自身に「どことやろうが僕はメンタリティーが変わらないタイプ。下の相手とやろうがすべてを出さないと勝てないと思っている」というハングリー精神が備わっているからだろう。

 13年11月19日にブリュッセルで行われたベルギーとの親善試合では、酒井宏のクロスからFW柿谷曜一朗が得点を決め、2人とも翌年のブラジルW杯メンバー入りを果たすことになった。若い選手が本大会の切符を手にするにはアグレッシブなプレーでアピールすることが不可欠。浅野の挑戦が加速する。

(取材・文 矢内由美子)


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