開始早々の10分に失点……。PKを献上した吉田に関する記事も散見された。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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[親善試合]日本1-3ブラジル/11月10日/リール(フランス)

 フランスで行なわれた強化試合でブラジルに1-3で敗れた日本の試合結果は、韓国でも報じられている。
 
「サンバサッカーを止められなかった…日本、ブラジルに1-3で完敗」(『国際新聞』)
「日本が12年間超えられない壁…日本サッカー、ブラジルとの強化試合で1-3敗北」(『韓国政経新聞』)
「“日本対ブラジル”ネイマール、マルセロ、G・ジェズスが先制ゴール、サムライ軍団が焼け野原に」(『SPORTSQ)
 
 といった具合だが、とりわけ3失点を喫したディフェンスに対する論調は厳しい。
 
「“守備が焦土化”日本、ブラジルに1-3で敗戦…3年ぶりに完敗」と見出しを打ったのは『sportalkorea』だ。
 
 記事では、「主導権はブラジルが掴んだ。ブラジルは最後方でボールを回して相手のスペースを突き、得意のドリブルで日本の守備を乱した」としながら、「36分の間に3ゴールを許した日本は戦意を喪失した。ブラジルは余裕のあるプレーで日本を圧倒した。日本は後半に1点を決めたが、勝敗はすでに決まっていた」と試合を振り返っている。
 
 また、『SPOTV NEWS』は「歴代戦績2分10敗…日本、36分で消えた“希望”」とヘッドラインを置いた記事で、「ブラジルはネイマールとG・ジェズス、ウィリアンが序盤から激しい攻撃を展開した。日本はブラジルの攻撃を抑えることにあくせくした」と報道。「ブラジルは圧倒的なパフォーマンスで日本の守備陣を崩した」と伝えている。
 
 前出の『スポーツ韓国』は、吉田麻也に注目した。「日本対ブラジル“本当にアホなことをした”日本ディフェンダーの手遅れの後悔」と題した記事では、「吉田のファウルがビデオ判定の結果PKを与え、手痛い失点につながった」とし、「吉田がプレーするイングランド・プレミアリーグは、まだビデオ判定が導入されていない」と含みを持たせて締めくくっている。
 
 ちなみにこの試合で導入されたビデオ判定については、『MKスポーツ』も「日本対ブラジルの強化試合、ビデオ判定に約2分かかった」とスポットライトを当てている。日本が初体験したビデオ判定はロシア・ワールドカップでも導入される見通しだけに、韓国も関心を寄せているようだ。
 後半の反撃については、「後半、日本は死力を尽くした。“ジョーカー”浅野を投入し、名誉挽回のゴールを決めるために必死になった。結局、63分に井手口のクロスを槙野がヘッドで叩きこみ、体面を保った」(『ブリッジ経済』)といった評価も一部にはあるが、いずれにしても、ブラジル戦の日本に対しては厳しい見方が大多数を占めている印象だ。
 
 その一方で、自国代表に対しては絶賛の嵐だ。
 
 なにしろ韓国は、ロシア・ワールドカップのアジア最終予選こそギリギリで突破したものの、10月の欧州遠征(ロシア、モロッコと対戦)でも合計7失点を浴びて2連敗するなど不振が続いていた。6月にシン・テヨン監督が新指揮官の座に就いてからは一度も勝ち星はなく、同日に行なわれたコロンビア戦でようやく初勝利を挙げたのである。
 
 格上相手の金星には、メディアも「“ソン・フンミンのマルチゴール”韓国、コロンビアを2-1で破る…シン・テヨン号の初勝利“蘇った攻撃本能”」(『etoday』)、「“少し家を離れていた”闘志、韓国サッカーが復活した!」(『スポーツ東亜』)などと喜びを隠さない。
 
 その勢い余って、日本との比較も展開している。
 
 前出の『国際新聞』は、「日本1-3ブラジル、セルビア2-0中国…東アジアが完敗のなか、韓国だけが笑った」と見出しを付けた記事で、「(コロンビア戦は)韓国の完勝で終わった」と前置きし、「同日に日本はブラジルを相手に苦戦を強いられ、1-3で敗れた。ネイマールが2本のPKのうち1本を外したことを踏まえると、ほとんど完敗に近い点差だと言える」と綴っている。
 
『デイリーアン』などは、「韓国対コロンビア、日本対ブラジル戦後、日本の反応は?」として、日本のサッカーファンがSNSなどに書き込んだ「ソン・フンミンはアジア最高のストライカーだ」「日本にソン・フンミンみたいな選手がいればブラジルとも渡り合えたかもしれない」といったコメントまで掲載していたほどだ。
 
 11月のAマッチ第1戦では明暗が分かれた日本と韓国。韓国は14日にセルビアと、日本は15日(現地14日)にベルギーと対戦するが、次戦でも韓国から誇らしげな視線が送られるだろうか。

文:李仁守(ピッチコミュニケーションズ)