中国訪問で「皇帝級待遇」で歓迎された米国のトランプ大統領。米中首脳会談で最大の焦点の北朝鮮問題では「朝鮮半島の非核化」で一致しただけだった。韓国紙は一斉に「期待外れ」「物足りない」などの声を上げている。資料写真。

写真拡大

2017年11月11日、中国訪問で世界遺産の故宮を貸し切りにするなど「皇帝級待遇」で歓迎された米国のトランプ大統領。米中首脳会談の最大の焦点は核・ミサイル開発に突き進む北朝鮮への対応だったが、「朝鮮半島の非核化」で一致しただけ。韓国紙は一斉に「期待外れ」「物足りない」などの声を上げている。

10月の中国共産党大会を経て2期目を迎えたばかりの習近平総書記(国家主席)にとって、トランプ大統領を迎えた米中首脳会談は国内外に威信を示す絶好の機会。中国共産党機関紙・人民日報の電子版は「世界の二大エコノミーであり、国連安保理常任理事国でもある中米は世界の平和・安定の維持、世界の発展・繁栄の促進において広範な利益を共有し、特殊で重要な責任を担っている」と、その意義を強調した。

それにもかかわらず、朝鮮半島問題では北朝鮮の核保有を認めず、「完全かつ検証ができる非核化」の実現で合意するにとどまった。実現に向けても「圧力」のトランプ大統領と「対話」の習主席の溝は埋まらなかった。

これについて、朝鮮日報は「期待外れの米中首脳会談」との社説を掲載。「今回の米中首脳会談は、習主席が中国共産党大会で一人体制の基盤を確保した直後に行われたため、北朝鮮の核問題についても『何らかの突破口が開かれるのでは』といった期待もあった。ところが中国は『何があっても北朝鮮政権の崩壊だけは避けたい』とする基本的な立場に変化はなかった。核兵器の廃棄や北朝鮮住民の生活を向上させるようないかなる行動も中国は考えていないのだ」と習主席を非難した。

中央日報も社説で「トランプ米大統領の韓日中3カ国歴訪の完結版として関心を集めた米中首脳会談は無難な結果につながったが、一方で多少物足りないところも残した。北朝鮮の挑発意志を断念させるような強力なメッセージは共同会見から出なかったためだ」と指摘。「北朝鮮の核・ミサイルという火種を取り除かない場合、いつでも米中両国はもちろん、韓国と日本をはじめとする世界全体に悪夢になり得るという事実を米中両国首脳は忘れてはならない」と訴えた。

東亜日報は社説で「米中首脳会談を見ると、自国の利益を優先する強国のパワーゲームとその前で弱くならざるを得ない韓国の力の限界を痛感する」と言及。「強国の力と金、国益優先主義が絡み合った米中日の巨大なチェス版で、北朝鮮核問題が道に迷わないよう、われわれの決意を固めなければならない」と論じた。

一方、ハンギョレ新聞は「米中の“裏面合意”に神経とがらせる韓国政府」と報道。「一部の専門家は中国が今後の対北朝鮮特使派遣などを念頭に置いて米国側と事前に意見を交換した可能性もあるとみている」と伝えた。(編集/日向)