“AI時代に消える人”の特徴――「やべーよ」と言っているだけで情報を探らない人は危険

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 人工知能(AI)の進化によって仕事を奪われる――。そんな話を聞いたことがある人も多いだろう。すでに、「ロボットが接客する世界初のホテル」や「ドバイ警察がロボコップを正式採用」など象徴的な事例はあるが、我々の職場にも「AI化」は日々忍び寄っているのだ。

◆前例や経験にとらわれてはAIを超えられない!

 AI時代への不安に揺れる人々もいるが、AIの専門家や働き方の専門家は一様に、「AIに仕事を奪われるという発想はナンセンス」と冷静だ。

「AIの導入によって、仕事が“なくなる”のではなく、“変化する”と考えるべき」と話すのは、AI時代の働き方に積極的な提言を行っている、はたらきごこち研究所代表の藤野貴教氏。

「仕事のどういう部分がAIに置き換わっていくのかを具体的にイメージせず、ただ漠然と不安を抱えている人が一番マズい。『やべーよやべーよ』と言っているうちに仕事がポンとなくなっていたということになりかねない。知りたくない現実でも、情報を取りに行くことを怠ると危険。といっても大層なことをする必要はなく、スマホのグーグルアプリなら、それこそAIを用いて過去の検索履歴からおすすめ記事を表示してくれるので、『AI/経理』みたいなキーワードを入れれば、スキマ時間で最新情報を学べます」(藤野氏)

 非効率な作業がAIに置き換わっていくのは時代の流れ。にもかかわらず、長年培った経験にプライドを持つあまり、変化を受け入れられない人の未来は明るくない。

「逆に、そんなときに『この仕事、AIに任せられちゃう系じゃないっすか? ちょっとやり方見直しましょうよ』なんて、冗談めかして職場の意識改革を促せる人はいいですよね。結局、人を動かすのはAIではなく人。共感力や、人を巻き込む力はこれまで以上に大事になってきます」(同)

 単純作業をAIが請け負ってくれる以上、より高次元の仕事が人間に求められるのは時代の流れ。それを“ハードルが高い”と感じる気持ちもわかるが、歯を食いしばって“知能労働”に挑んでほしい、と言うのはAI研究の第一人者である野村直之氏。

「先日、週刊誌で“コピペ裁判官”が取り上げられていました。適当に過去の判例を繋げ合わせてそれらしき判決文を作っている裁判官がいると。このように、ラクだからといって易きに流れるような人はAIに淘汰されてもしょうがない。基本的に、AIに置き換えられる仕事の多くは人間にとって退屈で不毛な作業です。そこから脱して、よりやりがいのある仕事を手に入れるチャンスだと考えられる人が生き残っていける」

 そのためには「好きなことを仕事にしたい」という思いの強さも大事だと野村氏は言う。だが、そもそも「好きなこと」がわからない人はどうすれば……?

「そんなときこそAIを活用しましょう。マッチングはAIの得意分野。何歳になってもやりたい仕事に出合えるはず」(野村氏)

★AI時代に消える人
つまらなくてもラクなほうがいいと、新しい領域に挑戦しない人

◆【判定!「AI時代に消える人」】
・過去の経験に基づいて行動するタイプだ
・長年培った経験にプライドを持っている
・知りたくない情報には耳にフタをするタイプ
・他人を巻き込まず、単独で行動するタイプだ
・仕事の正確さやミスのなさが取り柄だ
・従来の仕事のやり方を変えるのが苦手だ
・得意分野が一つしかない(あるいはゼロ)
・マニュアルどおりに仕事するタイプ
・指示を出されないと動かない
・人付き合いが苦手、あるいは面倒
・人を喜ばせようというホスピタリティがない
・会社のルールに従順な社畜タイプ
・会社の成長に貢献したいという気持ちが希薄
・つまらない仕事でもいいのでラクがしたい
・仕事にやりがいは求めていない

●一致する数が0〜5個 青信号
環境の変化に合わせて柔軟に行動できるあなたはAIを使いこなしながら、さらなるやりがいを追求できるはず

●一致する数が6〜10個 黄信号
省エネ志向ゆえに、なかなか新しいチャレンジに踏み出せないあなた。今が正念場と、腹をくくるべし!

●一致する数が11〜15個 赤信号
これまでの仕事のやり方を変えたくないという気持ちが頑ななまでに強いあなた。今のままでは未来は暗い……

【藤野貴教氏】
はたらきごこち研究所代表。ワークスタイルクリエイター。新刊『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』(かんき出版)が話題

【野村直之氏】
メタデータ社長 理学博士。MIT人工知能研究所の客員研究員などを経てメタデータを創業。著書に『人工知能が変える仕事の未来』(日本経済新聞出版社)

― AI時代に[生き残る人・消える人]の境界線 ―