槙野智章が語る強豪国相手に見えた課題とは? 11年ぶりのブラジル弾にはニヤリ

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 ブラジルから約11年ぶりとなるゴールを奪ったのはDF槙野智章だった。

 3点を追いかける展開で意地を見せた。62分、MF井手口陽介(ガンバ大阪)の左CKにファーサイドから走り込み、頭で叩き込んだ。「自分たちがまだ死んでいないことを示すためにも大事な一発だった」。槙野は力強いガッツポーズとともに雄叫びを上げた。

 事前の予習はバッチリだった。セットプレーの映像を何度も確認して、ブラジルのウィークポイントを頭に入れていた槙野は、「僕が入って行ったところは、かなりルーズだということが分かっていたので、うまく入れたと思います」と狙い通りのゴールだったことを明かした。

 ブラジル戦でのゴールは、2006年のドイツ・ワールドカップでFW玉田圭司(現名古屋グランパス)が決めて以来、5人目となる。そのことを伝えると、「それはすごいね」とうれしそうに笑ったが、DFとして納得できる試合でなかったことは明白。「3失点していますし、『もっとできただろう』という印象で終わってしまった」と反省を口にした。

「後ろの選手は立ち上がりで失点をしないことを心がけていたけど、前半は受け身で入ってしまいました。自分たちからアクションを起こすことが足りなかった」

 槙野自身は持ち味が発揮できなかったわけではない。身を投げ出したシュートブロックや、出足鋭いプレスを見せ、攻撃に転じればFW久保裕也やFW原口元気に正確なロングフィードを届けた。

 強豪国を相手にしたからこそ見えたものがある。槙野は「前からハメに行ったところを剥がされ、バランスが崩れた時の守り方」と、「ボールに対してアクションを起こしに行く選手を、いかに前へと押し出すか」の2点を課題に挙げた。宿舎に戻り、自身のSNSで「この試合で感じた事をこの先も続けることが一番大事であり、収穫になる」と綴っていたが、大切なのは肌で感じた世界との差をどう埋めていくかだ。

 試合前にDF酒井宏樹(マルセイユ)がこんなことを言っていた。「ブラジルとがっつり戦える機会はない。課題が多く出ることはポジティブなこと」。あくまで本番は来年のロシア・ワールドカップであり、現時点で浮き彫りになった「課題」は、本大会に向けた「収穫」とも言える。まずはベルギー戦でどこまで修正できるかが一つの注目点になるだろう。

 槙野はこれで、10月のニュージーランド戦、ハイチ戦に続いて3試合連続の先発出場。サッカー王国を相手に力の差こそ見せつけられたが、一矢報いたゴールはアピールにつながったはず。ハリルジャパンで地位を確立するために、さらなるレベルアップを図る。

取材・文=高尾太恵子