松岡茉優の涙は成長の証ーー『コウノドリ』が描く、“患者に寄り添う”ことの難しさ

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 『コウノドリ』(TBS系)シーズン2も、折り返し地点の第5話に突入した。オンエアの直前には、Twitterの公式アカウント(https://twitter.com/kounodori_tbs)で「ここから色々動き始めるので来週も再来週も見て欲しいです」とツイートされていたが、その言葉通りサクラ(綾野剛)を始めとしたペルソナチームが新たな局面に立たされる。下屋(松岡茉優)は、超低出生体重児のベビーと向き合うことに。自分の選択は正しかったのか。寄り添うこととはーー下屋が患者と向き合った末、彼女の頬に伝った涙に注目が集まった。

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 下屋が緊急帝王切開したベビーは、超低出生体重児だった。早期に手術の必要があるが、両親は帝王切開になった経緯に納得出来ず、障害が残る可能性が高い我が子に対して父親は、「正直、手術をしてまで助けてほしいとは思いません」と今橋(大森南朋)に告げる。自分の判断は間違えていたのではないか。下屋が選択を迫られるシーンは、シーズン1にもあった。下屋を演じる松岡は、彼女の転機について「前作の4話で、はじめて自分が診ている患者さんに特別なことが起こって下屋の意識が変わる瞬間が描かれました」と公式インタビュー(http://www.tbs.co.jp/kounodori/interview/matsuoka.html)にて答えている。シーズン1の第4話、下屋が担当する切迫流産の妊婦は、母体の安全か赤ちゃんの出産かを迫られ、「赤ちゃんを諦めたくない」と帝王切開に踏み切る。超未熟児として生まれてきた赤ちゃんの小ささに、まだ研修医だった下屋は「おめでとう」をお母さんに言えず、後悔し苦悩する。

 答えはどこにもない、過酷な決断をした下屋にサクラは「人間だからいつだって決断に迷う。次に繋げるしかない」と彼女の背中を押していた。今回の第5話は、前作の第4話と状況がリンクする部分が多くある。違うのは、もう研修医ではないということ。後輩研修医の赤西吾郎(宮沢氷魚)が、初めての前立ちを経験する際には、手術に本気で向き合うように檄を飛ばしていた。研修医時代に比べ、より責任感が強くなったことは確かだ。子宮内胎児死亡となってしまった夫婦にサクラが親身になる姿を見て下屋は、患者に寄り添うことについて自問自答する。

 「自分のすべきことをしたい」という気持ちが込められた下屋の謝罪の手紙に、患者は「最善を尽くしてくれたんですよね。ありがとうございました」と感謝の言葉を告げる。NICUに向かう患者の姿を見て、下屋が流した涙は一人の医師として患者に寄り添ったことができた証だ。先述したインタビューで、「今回も大きくかわる瞬間があります」とも答えている松岡。今回の第5話がそれに当たり、さらに第6話でも下屋への苦難は続くこととなる。動き出すストーリーと下屋の成長。新たな視点で命の奇跡が描かれる。

(渡辺彰浩)