ハリルホジッチ監督は「後半だけなら勝っていた」と話すが実際は…【写真:Getty Images】

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 日本代表は10日、国際親善試合でブラジル代表と対戦し1-3で敗れた。まさに実力差を見せつけられての完敗だった。

 前半、日本はブラジルの勢いに気圧され、何もさせてもらえなかった。前半9分までに2本のコーナーキックを取られ、その場面でのファウルが元になったPKから失点。さらに17分には直前に川島が2度目のPKをセーブしていたものの、コーナーキック時の軽率なクリアミスからマルセロにミドルシュートを沈められて2失点目。36分の3失点目は、カウンターを受けて多くの選手が戻るまでは良かったが、人数がいるだけで完全に崩されてのゴールだった。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が名指しで警戒していたガブリエル・ジェズスが勝負を決定づける3点目を奪い、これで試合のすう勢はほぼ決まってしまったと言っていいだろう。

 後半開始から、日本のアグレッシブな前線からのプレッシングが見られるようになった一方、ブラジルは明らかにペースを落としていた。前半は見られた、まるで機械のように正確で高速なゴールへ一直線に襲いかかるカウンターは懐にしまい、重心を後ろに下げる。

 また、後半開始からはGKをブラジル代表初キャップで、コリンチャンス時代からチッチ監督と師弟関係を結ぶカッシオに代えた。彼は前半に出場していたアリソン、ベンチに座っていたエデルソンに次ぐ第3GKとして招集されていた選手である。

 58分にはガブリエル・ジェズスとマルセロがお役御免となり、ネイマールとウィリアンも71分に下がる。14日にイングランド戦を控える主力たちを休ませるプランだろう。交代で投入された控えの選手たちにもチッチ監督にアピールできる十分な時間が与えられ、モチベーション高く試合に入ってきた。

 とはいえむやみに試合のペースを上げてこようとしないのがブラジルだった。セットプレーで1失点したものの、彼らにとって2点はセーフティリードだったのかもしれない。後半の戦いぶりは前半と全く異なるものだったが、「力を抜いていた」という長谷部誠の言葉がすべてを物語っている。

 日本のハリルホジッチ監督は試合後、「後半だけを見れば我々が勝っていた」と語った。確かにスコアを見ればその通りだが、サッカーのクオリティそのもので「勝っていた」と言えるだろうか。ブラジルが見せた余裕の意味を今一度考え直し、後半の手応えで勘違いせず、一層気を引き締めて次の試合に向かわなければ、進む先は真っ暗闇だ。

text by 編集部