ゴミが撒かれた大学周辺の道路(画像は『VERNAC NEWS 2017年11月3日付Twitter「7 UCT students granted bail #UCTShutDown」』のスクリーンショット)

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南アフリカの最高峰とも言われるケープタウン大学で11月1日夜、学費の引き上げを反対する「Fees Must Fall」という抗議活動が始まった。参加したのは約200人で、キャンパス内に人糞やゴミをまき散らし授業の妨害をしたり、キャンパス周辺の道路をブロックするなどして逮捕者も出たようだ。『Times LIVE』などが伝えている。

11月2日朝、ケープタウン大学の構内の一部では人糞やゴミが撒き散らかされて悪臭を放ち、教室のカーテンが引きはがされていた。大学周辺にはゴミ箱が散乱し、ケープタウン近郊を走る学生専用バスのタイヤに切り込みが入れられた。このため周辺道路はバリケードで封鎖された。

また大学へと続く道の交差点では、男女の学生1名ずつが服を脱いで30分ほど横たわり、駆け付けた警察に公然わいせつ罪で逮捕されている。女子学生(23歳)は連行される最中に気絶し救急車が呼ばれたため、現場は大勢のやじ馬で騒然となった。

学生らは、2018年度の学費の引き上げの凍結、学内における自殺調査委員会の設立、キャンパス内の警備費用に関する報告書の掲示、さらには学費未払いの者に対し借金を帳消しすることなどを要求している。そしてこれらの抗議の矛先は大学当局だけでなく、ズマ大統領にも向けられているようだ。

しかし人糞をまき散らすといった迷惑行為に心理学部の2年生は「清掃する人のことを考えていない不愉快極まりない行為」、また生物学部の3年生は「どこから人糞を持ってくるのかは分からないが、こんな場所にまき散らすのは間違っている」と述べている。

ケープタウン大学マックス・プライス副学長は「要求が通るまでキャンパスを閉鎖するよう求めているようだが、その予定はない。学年末の試験も通常通り行う。学費の引き上げの凍結は無理な話で、値上げをしなければ大学は破産する」と発表している。デイヤ・レディ教授も「11月は学年末の大事な時期であり、きちんとカリキュラムをこなさないと悲惨な結果になるのは目に見えている」と警告した。

学生による「Fees Must Fall」の抗議活動は他大学でも行われている。近年は大学への政府の補助金が減少していること、政府が一度は低所得者の大学学費無償化を検討しつつも重い腰をあげないことから、政府の腐敗も大きな一因と言われているが、抗議の度が過ぎると大きな迷惑でしかないようだ。

画像は『Vernac News 2017年11月3日付Twitter「7 UCT students granted bail #UCTShutDown」、2017年11月2日付Twitter「Bodies on the line. Guns out. #UCTShutDown」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)