ビジネスの現場や日常生活で、次から次へと起こる「問題」。それらから逃れることはできませんが、問題への「対処」と「解決」の違いを知っておけば、両面から効果的にアプローチすることができるのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ〜子供たちに起業スピリッツを!』では著者で長く人材育成に携わってきた石丸智信さんが、その違いをわかりやすく解説しています。

問題対処と問題解決の違いとは

以前聴講した講演会の中において、「問題対処と問題解決」について取り上げられていました。「問題に対処すること」と「問題を解決すること」と聴くと、同じような意味ではないかと思っていました。しかし、このテーマを聴講して、問題に対処することと、問題を解決することは違う、と感じました。

本号では、本講演会で学んだことを踏まえて、「問題対処と問題解決」をテーマにして考察していきたいと思います。

ビジネスの現場において、日々、様々な多くの問題が発生しますし、また、日常の生活でも、大小の違いはありますが、問題が起こることがありますね。

まず、「問題」と聴いて、どのようなイメージを持つでしょうか。たぶん、あまりいいイメージは湧いてこないかもしれませんね。少なくても「問題があった方がいい」とは、なかなか思えないのではないでしょうか。

では、「問題」とは何なのでしょうか。

問題とは、「現状と理想とのギャップである」と言われます。ですから、経営者をはじめとしたリーダーが、「自社、自部門に問題なんてない」と言うこと自体が「問題だ!」と言われています。なぜなら、「現時点」における現状と理想のギャップである問題を解決しても、自社、自部門が成長していくためには、理想である状態を高めていく必要があります。そのため、高めた理想と現時点で問題を解決した状態においてもギャップが生まれ、そのギャップである問題を解決していくことが重要になるからです。まさに、講演会の登壇講師が「人生は問題解決の道程なり。仕事とは問題解決の連続なり」とお話ししていました。

本講演会では、問題対処と問題解決を表す言葉として、このような一節を挙げていました。

ある人に魚を一匹与えれば、その人は一日食える。魚のとり方を教えれば、その人は一生食える。

この人にとっての問題を「空腹」と捉えてみましょう。「ある人に魚を一匹与えれば、その人は一日食える」というのは、問題に対処することであり、空腹を満たす即効性はあります。

「魚のとり方を教えれば、その人は一生食える」というのは、問題を解決することではありますが、すぐに空腹を満たすことができるかというと、少々時間がかかります。

例えば、「川に鮎がいなくなる」という問題に対する対処と解決を考えてみます。「川に鮎を放流することで、鮎を増やす」ことは、この問題に対処するひとつと言えます。

「山の保水力を高め植林する」「農薬を制限する」「鮎が産卵する川底に小石を増やす」などといったことは、この問題を解決することになるでしょう。

この例からも、問題対処と問題解決は、どちらが良くて、どちらが悪いと言うことではありません。

問題対処は、短期的な視点で問題を見ていることであり、問題解決は、中長期的な視点で問題を見ていることと言えます。

例えば、目の前で火が燃え上がっている時には、その火を水や消火剤などで消さなければいけません。その時に、「何で火が燃え上がったんだろう」と考えていたら、その火が燃え広がってしまいますね。

ですが、火を消し止めた後に、「やれやれ火が消えた」と、「何で火が燃えがったのか」と考えないでいたら、また、同じことが起きてしまう可能性があります。

このことからも、短期的には問題に対処するとともに、中長期的には、その問題が起きないように問題を解決していくことが大切になります。問題対処と問題解決の両輪で考えていくことが重要ではないでしょうか。

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