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 内閣府は8日に発表した9月の景気動向指数(CI、2010年=100)で、基調判断を「改善を示している」に11カ月連続で据え置き、これにより、景気拡大が高度成長期の「いざなぎ景気」を超えて戦後2番目の長さとなった。茂木経済財政・再生相は「いざなぎ景気を超えた可能性がある」との認識を示しており、今回の景気動向指数の基調判断は具体的なデータとして確認されたことになる。このまま2019年1月まで拡大が続けば、2002年2月まで続いた戦後最長の景気回復を抜くことになるが、回復成長の実感は心もとなく、不安も大きい。

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 今回の景気回復では、日銀の強力な金融緩和による円安が下支えしており、製造業では生産を国内に戻す動きが出ている。2017年の製造業の雇用者数は7年ぶりに1千万人の大台を回復する見通しだが、これに人口減少も加わり、企業の人手不足感は強まっている。海外企業の買収や、外債投資から得られる配当金や利子などの伸びも今回の景気回復の特徴だ。財務省によると海外からの配当金など「第一次所得収支」の黒字は直近8月までで、戦後最長の回復期を27%上回っている。

 しかし、こういった景気指標の割に成長の実感は心もとなく、個人消費も2014年の消費増税後に落ち込み、力強さに欠けている。日本の景気をけん引してきた輸出も今回の景気回復では26%の伸びたが、83%伸びた戦後最長の回復期と比べるとテンポが緩やかなのは明らかだ。専門家は「今回の景気回復では雇用者所得の増加や消費の活性化にはつながっていない分、過熱せず、結果として緩やかな拡大が続いている」と指摘する。また、日本経済の成長率も下がっている。内閣府の調査によると上場企業が2017年1月時点で予測した今後5年間の日本の実質経済成長率は1%と過去最低に並んだ。

 一方、今回の景気回復の持続力について民間エコノミストたちは「19年半ばまで」との見方が多い。最大のリスクは、アメリカの成長の息切れだが、国内でも2020年の東京五輪需要の一巡が景気の下押し要因になりかねない。「競技場建設やホテル改修が2018年にピークを迎え、2019年には減り始める」との予測もある。さらに2019年10月には消費税率の10%への引き上げも予定されており、「2019年問題」が景気回復に水を差す可能性がある。