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そろそろ年末のことを考える季節になってきました。年末といえば、会社員や公務員が年末になると毎年勤務先の会社へ提出して手続きをしてもらう年末調整です。

勤務先の会社から渡される書類に必要事項を記入して提出すれば、過払いの税金や控除の手続きを勤務先がしてくれます。所得税に関する手続きには個人で行う確定申告もありますが、年末調整と確定申告は何が違うのでしょうか? また、年末調整で書類の提出が間に合わなかったらどうすればいいのでしょうか。今回は、年末調整と確定申告について解説します。

○年末調整と確定申告の違いは?

年末調整とは源泉徴収された所得税を精算するための手続きです。会社員や公務員は所得税を毎月の給与から天引きすることで源泉徴収されています。

この源泉徴収されている所得税額は、前年度の収入などからの算出であり、今年度分の生命保険料控除などが反映されないので、本来納税する所得税額と異なる場合があります。その差額を計算し、正しい納税額の納付や払いすぎた額の還付を会社などが調整するのが年末調整です。

一方で、確定申告は1年間の所得をすべて計算し、確定した所得税を申告・納税する手続きです。年末調整が所得税を先払いするのに対して、確定申告では後払いになります。会社員や公務員なら年末調整で済む人がほとんどですが、医療費控除を受けたい人やたくさんふるさと納税をして寄附金控除を受けたい人は、確定申告することによって還付金をもらうことができます。

○年末調整で受けることができる控除

年末調整では以下の3つの控除を受けることができます。自分で手続きしなくても済むかわりにそれぞれ必要な書類があるので、忘れずに発行・保管しておきたいですね。

・生命保険料控除

生命保険料控除とは生命保険に加入していて生命保険料を支払っているとき、支払った保険料に応じて決められた金額が1年間の所得から差し引かれ、結果として所得税や住民税が減額されるというものです。

この控除を受けるには保険会社などから発行される「生命保険料控除証明書」が必要となります。

・地震保険料控除

特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料や掛け金を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができるのを地震保険料控除といいます。

ただし地震保険は火災保険とのセット契約になりますが、火災保険には保険料控除の対象にはなりません。保険会社から発行される「地震保険料控除証明書」を添付すればこの控除を受けることができます。

・2年目以降の住宅ローン控除

2年目以降の住宅ローンは、年末調整で住宅ローン控除(正式名称は住宅借入金等特別控除)を受けることができます。住宅を購入または増改築するために金融機関からお金を借りたとき、その借入金の年末残高と居住年の控除率に応じて税金が減額されます。

ただし初年度は個別で確定申告をする必要があります。「給与所得者の住宅取得等特別控除申告書」の提出と、金融機関から発行される「住宅ローンの年末残高証明書」の添付が必要です。

○年末調整で受けることができない控除

年末調整では以下の4つの控除は受けることができません。これらの控除を受けるためには、自分自身で確定申告する必要があります。

・医療費控除

1年間で医療費が10万円以上かかっていると、一定金額の控除が受けられます。

・寄附金控除

国や地方公共団体に対して寄附をした場合、所得控除が受けられます。また、ふるさと納税では平成27年4月以降はワンストップ特例により、納税先が5箇所以内であれば確定申告をする必要はなく、ワンストップ特例申請書を寄附先の自治体に返送するだけでよくなりました。

ただし、医療費控除や1年目の住宅ローン控除などで確定申告をする必要がある人は、ワンストップ特例ではなく、確定申告をしないと寄附金控除を受けることができません。

・雑損控除

災害や盗難によって資産が被害にあったときに適用される控除です。

・住宅ローン控除(1年目)

住宅ローン1年目は確定申告をする必要がありますが、2年目以降は年末調整で手続きすることができます。

○年末調整で未提出の書類があった場合はどうする?

年末調整を行うために、勤務先の会社などから必要書類の提出を促す連絡が来ると思います。そのときに書類をすべて提出していれば、年末調整によって勤務先の会社側が所得税の計算、過不足の調整を行ってくれます。

しかし、必要書類がハガキなどで送られてくるのがバラバラなので、遅くて提出日までに間に合わず年末調整で未提出の書類があった場合、年末調整ではその控除が行えません。勤務先の会社に申し出ることで翌年の1月31日まで再度年末調整を行うことができますが、源泉所得税の再計算や様々な事務処理がやり直しになるので、歓迎されにくいと考えた方がいいでしょう。

その場合は、2月16日から3月15日までの1カ月の間に未提出だった書類をそろえて改めて確定申告を行うことで、控除を受けられるようになります。面倒だからと確定申告を行わないでいると控除を受けられませんから、払いすぎになっているかもしれない所得税が還付されることはありません。

自分の節税メリットを最大限に享受するためにも、年末調整で未提出のものがあるのならば、一度勤務先の会社などに確認し受領されなかった場合には、その後自分で確定申告をするようにしましょう。

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株式会社回遊舎

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」「J-REIT金メダル投資術」、「NISA120%活用術」、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」、「子育てで破産しないためのお金の本」など。