<記者コラム:オトゴト>
 今年の新語・流行語大賞(ユーキャン新語・流行語大賞 2017)の候補が9日、発表された。「忖度」や「インスタ映え」「35億」「ちーがーうーだーろー!」など、今年の世相を象徴する言葉ともあって、その出来事を容易に思い起こされる。

 ところで、もし音楽版の流行語大賞があるならば、今年はどのような言葉が選ばれるだろうか。

 昨年は“新語・流行語大賞”に、「PPAP」が候補に挙がったが、同賞の基準が「軽妙に世相を衝いた表現とニュアンスをもって、広く大衆の目・口・耳をにぎわせた新語・流行語」(ユーキャン新語・流行語大賞から引用)となれば、安室奈美恵さんの引退宣言による「安室ロス」や、いきものがかりの活動休止の「放牧宣言」、あるいは小沢健二さんの電撃復帰「オザケン復帰」、はたまたCHEMISTRYの再始動で「ケミ再始動」か。

 ある報道機関のコラムで「今年はヒット曲がない」という文を目にした。思えば、今年は何がヒットしたのだろうか。多種多様化時代のなかで、関心が1曲に集中することは難しく、どの世代も知っている曲は生まれにくい。当然、昔のようにミリオンヒットも出にくい。

 音楽版流行語大賞というものがあればきっと、そうしたヒット曲とのつながりが強くなると思われるが、こういうご時世だと選ぶのも一苦労だろう。

 今年の場合、出来事で言えば、先の「安室ロス」と「放牧宣言」、元ハロプロで今年6月に芸能界を引退した嗣永桃子さんの「ももち最後まで笑顔」、AKB48渡辺麻友さんの「まゆゆ卒業」、稲垣さん・草なぎさん・香取さんの「元SMAP3人ネット解禁」などが候補に上がったことだろう。

 こうして振り返ってみると、ジャズ100周年や、ピアニスト内田光子さんの自身2度目となるグラミー賞、乃木坂46橋本奈々未さんの引退、ピコ太郎さんの日本武道館単独公演など、音楽だけをみてもその年のシーンを象徴する話題はある。

 では、ヒット曲で見た場合はどうだろうか。日本レコード協会のミリオン以上認定作品からみると、AKB48「シュートサイン」、乃木坂46「インフルエンサー」、AKB48「願いごとの持ち腐れ」、乃木坂46「逃げ水」、AKB48「#好きなんだ」、乃木坂46「いつかできるから今日できる」となっている。

 CDセールスでみれば「AKBグループ坂道転がらず」か「AKB旋風まだ強し」が音楽版流行語大賞に相応しいか。「安室ロス」や「放牧宣言」などは置いといて、いずれも小生が勝手に作った候補なので、どれも流行語ではないし、新語でもない。ただ、音楽の流行語を考えていたなかで、本賞となる“新語・流行語大賞”に音楽に関わる新語・流行語がノミネートされていないのは少々寂しい気がした。