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日本文化の代名詞ともいえる「漫画」。その「原画」にかかる相続税が、漫画家たちを悩ませているようだ。

9月25日の産経ニュースによれば、原画は元々、相続税の対象外とされる慣習があったという。しかし、文化的地位の向上などで、原画の価値も向上。ヒットした漫画の原画については、課税の対象と判断されることもありうるという。記事の中では、展示会で原画を販売して処分する漫画家たちの姿が描かれていた。

たとえば、オークションサイトで原画を調べてみると、数百円のものから、有名作家になると数万円のものまでが出品されている。

漫画家だけでなく、有名作家の手書き原稿にも高値がつくこともある。いざ、相続税が発生したら、漫画家や作家の家族はどうしたら良いのだろうか。大塚英司税理士に聞いた。

●著名人の手紙が相続税の対象になることも…アインシュタインのメモは2億

ーーどうやって相続税を計算する?

漫画の原画や原稿は、それ自体に金銭的な価値が付くものであれば、「美術品」として相続税の対象になる可能性があります。

美術品の相続税上の評価については、国税庁の「財産評価基本通達」において、「販売業者が有するもの以外の書画骨とう品の価額は、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する」と規定されています。

つまり、「売買実例価額」なら、(1)同様な販売物(同じような原画)がある場合の販売価額や(2)実際に売却した場合の売却価額などを参考にした評価額とするということです。

もしくは、「精通者意見価格」として、(3)専門家の鑑定評価額を参考にすることになります。この場合は、美術商や著名人、著名団体などに鑑定してもらい、その鑑定金額が相続税評価額ということです。

最近では、アインシュタインがチップ代わりに渡したメモが、オークションで約2億円という金額で落札され話題になりました。このように、著名な作家や漫画家の手紙などには高値がつくこともありますが、これらについても金銭的な価値が認められれば、相続税の対象となる可能性は十分にあります。

ーー絵画などと違って、直接販売することを想定していなかった原画や原稿、手紙などに相続税がかかったら、家族が困るのでは?

とはいえ、対象となり納税義務が生じれば、相続税は払わないといけません。しかし、相続した財産を、国や地方公共団体などに寄付した場合には、その財産は相続税の対象としない特例があります。

ただし、適用を受けるためには、相続税の申告書の提出期限(亡くなった日から10か月以内)までに、その相続財産を実際に寄付すること、寄付先が国や地方公共団体、または教育や科学の振興などに貢献することが著しいと認められる特定の公益を目的とする事業を行う公益法人である必要があります。

また、申告に際しては、寄付財産の明細書や一定の証明書類を添付する必要もありますので、注意が必要です。

【取材協力税理士】

大塚 英司(おおつか・えいじ)税理士

中央大学商学部卒業。税理士法人トゥモローズ代表税理士。世界四大事務所であるEY税理士法人出身。大企業の法人税務から相続・不動産等の個人税務まで幅広くサポートできる稀有な存在の若手税理士。

事務所名   : 税理士法人トゥモローズ

事務所URL:http://tomorrowstax.com/

(弁護士ドットコムニュース)