大学時代からWebコミュニティーの企画・構築を手がける。卒業後は日経BP社に入社し、編集者に。その後、Web系のベンチャー企業でプログラミング技術を習得し、2011年に「Zaim」をリリースした。

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働いて得たお金の使い方は人それぞれ違います。時代の先端に立ち、世の中を引っ張っている人たちはどんな思いで働き、どんなことにお金を投じているのでしょうか。雑誌「プレジデントウーマン」からエンジニア、商品企画、ヘッドハンター、建築士という4人の女性のインタビューをお届けします――。

■“分析好き”なのでアプリと連動できる時計を

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エンジニア
閑歳孝子さん●Zaim 代表取締役

 

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650万以上もダウンロードされている、日本最大級の無料オンライン家計簿サービス「ザイム」。レシートをカメラで撮影するだけで家計簿がつけられる手軽さが人気だ。開発者の閑歳孝子さんはベンチャー企業で働きながら、個人でこのサービスを企画・開発した。

「自分の母親がスマホを持ったときに使ってもらえそうなアプリをつくりたいと思ったんです。“人々が課題や不満を抱えているものは何か?”と考えた末に辿りついたのが、家計簿でした」

個人開発から1年で起業と、“デキる女性”すぎる閑歳さん。もともとは超インドア派だった彼女だが、約1年前から足しげくフィットネスジムに通いはじめた。体の疲れを取るために始めたストレッチをきっかけに、筋トレにハマってしまったという。今、最もお金と時間を割いているのはワークアウトで、最近はキックボクシングにも挑戦中だとか。

「物事を分析したり、深く追求したりすることが好きなんです。この栄養素を取ると筋肉がどうなるなどと検証しながら楽しんでいます(笑)。仕事は思うような結果にならないこともあるけど、体は素直な反応を見せてくれるから面白い」

物を多く所有することは苦手で、普段からあまり買い物はしないそう。「金銭感覚はわりと普通かなと。こういうサービスを提供しているので、逸脱した生活やお金の使い方はしないように心がけています」


Q 愛用の腕時計は?
A Fitbit

心拍数が測れる機能が付いていることに引かれたという。Fitbitはアプリと連動していて、歩数や消費カロリーなどを記録できる。「ゴツくないデザインだからビジネスの場でも使えるし、ベルトをカスタマイズできるところも◎。充電時間が短くて便利です」

Q この1年で何に一番お金を使った?
A DIESELのバックパック

閑歳さんのファッションは黒や白のワンピースが中心。そこに遊び心のあるアイテムを加えるのが定番だ。ひと目見たときに“私のためのもの!”と感じたというDIESELのバッグは、約4万円。「黒とグリーンの組み合わせがツボで。オン・オフ共に大活躍しています」

■仲間とおいしいものを食べ歩き明日への英気を養います

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商品企画
犬飼美穂子さん●ロッテ ロッテノベーション部 第二商品企画室 室長

 

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「スイーツデイズ 乳酸菌ショコラ」は、発売から約1年でシリーズ合計の出荷数が2500万個を突破。「2016年ヒット商品ベスト30」(「日経トレンディ」発表)でも6位にランクインした。乳酸菌とチョコレートを組み合わせるという、いわば常識破りな商品を開発し、コミュニケーション戦略にも携わったのは犬飼美穂子さん。商品展開に至った経緯を次のように話す。

「健康ブームの昨今、積極的に乳酸菌を取り入れたいと感じている人が多いけれど、“賞味期限が短い”“冷蔵庫がないと保存できない”といった不満を持っていることもわかりました。乳酸菌は熱に弱いのですが、ある一定の条件と配合でチョコレートに乳酸菌を入れると、乳酸菌が1年間、常温で生き続けるということが判明。どこでも好きな時間に乳酸菌が取れるよう、個包装にこだわりました」

犬飼さんはもともと食べることが大好きで、食に関わる仕事に就きたいと同社に入社。お菓子は生命活動に必須ではないが、人生を楽しく、豊かにできると強く信じているという。「私にとってこの仕事は、人に幸せを届けられるもの。それと同時に、人とのつながりを広げてくれるものでもあります」

仕事で出会った人や異業種交流会などで親しくなった友人との食べ歩きには、お金をかけるという犬飼さん。「刺激を与えてくれる仲間と一緒に楽しくお酒を飲んで、おいしいものを食べる。すると、“もっといい仕事をしよう”と思えるんです」


Q 愛用の腕時計は?
A エルメス

数年前の誕生日に母親にプレゼントしてもらったという記念の品。小ぶりでシンプルなデザインに引かれたそう。「着け心地が軽いので長時間身につけていても負担を感じないんです。ファッションやシーンを選ばないため、重宝しています。まさに一生モノですね」

Q この1年で何に一番お金を使った?
A “ナマ肉女子会”の仲間との食べ歩き

グルメな犬飼さんが目がないのが“ナマ肉”。肉好きな女性メンバー数人で月に1、2回、定例会を開いている。「わさびで食べるナマ肉はGINZA KOSOさんで食べられる一押しメニュー。スマホの中には、ほかにも絶品ナマ肉の写真がたくさんつまっています(笑)」

■「心が動く体験」が高いアウトプットにつながる

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ヘッドハンター
広富さつきさん●オプティマス 代表取締役

 

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転職支援において優れた実績を残したヘッドハンターを決定する「ヘッドハンター大賞」(ビズリーチ主催)。2016年度、流通・小売・サービス部門のMVPを受賞したのが、広富さつきさんだ。ビズリーチに登録する1600人以上のスカウターの中から選ばれた。

長年、リクルートのキャリア領域でベンチャーから大手まで幅広い業種への人材斡旋(あっせん)に携わってきた広富さん。執行役員まで上りつめたが、独立して転職支援の現場に復帰した。

「私は仕事には人生を変える力があると信じているんです。最適な仕事を見つけられると、人は見違えるように輝きだします。ご縁をつないだ人たちの生き生きとしている様子を見ていると心からうれしくなって、“あぁ、私の仕事は本当にすてきだなぁ”ってしみじみ思う(笑)。一人でも多くの人にいい出会いをお届けできるよう、一人一人に真摯に向き合って感情を込めたサポートをしています」

仕事への思いを熱く語る広富さんだが、その素顔も実にエネルギッシュ。夏はシュノーケリングに登山、サイクリング、冬はスキーやジョギングを楽しみ、週に2日はヨガにも通っているという。そんな忙しい合間を縫って、2カ月に1度くらいのペースで海外へも。「心が動くことにお金を使いたいんです。いろいろな体験をして心が澄み渡れば、インプットする力が高まって、今度はそれを周囲にアウトプットできるようになりますからね」


Q 愛用の腕時計は?
A カルティエ

前社で部長職に就いた際、その記念に購入。「時計は個性が出るもの。お客さまに与える印象を考慮して、営業先ではあえて時計を着けませんでした。しかし、役職に合ったものを持っておいたほうがよいかなと思い、力強さのあるこのデザインを選びました」

Q この1年で何に一番お金を使った?
A 親族5人を連れての宮古島旅行

大好きな宮古島の美しい海をぜひ見せたいと、4泊5日で親族を招待した。「連れて行くからには楽しい経験と思い出をプレゼントしたいので、お金は惜しみません。家族がみんなすごく喜んでくれたので、必ずまた近いうちに連れて行きたいと思います!」

■小さな旅に出かけて感性に刺激を受けています

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建築士
羽場友紀さん●moyadesign 共同主宰

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2016年2月、東京・蔵前にサンフランシスコ発のチョコレート専門店「ダンデライオン・チョコレート」が誕生。カカオ豆の選別からチョコレートになるまでの全工程を一貫した手作業でつくり出す、「ビーン・トゥ・バー・チョコレート」の火付け役となったショップだ。その店舗設計・建築を担当したのが、羽場友紀さん。築60年以上の倉庫をスタイリッシュな空間によみがえらせた。蔵前に続いてオープンした、鎌倉と伊勢両店の設計も手がけている。

「どの店舗も古い建物の魅力を生かし、梁(はり)や床など残せるものは残したつくりになっています。また、『ダンデライオン・チョコレート』は出店場所にも強いこだわりがあるので、その街との調和を意識してデザインしました。たとえば蔵前は、古くから職人さんたちが集まるクラフトの街。だから、家具や音響などは物づくりにこだわりのあるメーカーやつくり手とコラボしました」

空間と既存の建物を生かした、シンプルな設計を得意とする羽場さん。場所を変えて物事をじっくり考えたり、感性に刺激を与えたりするために、定期的に1泊2日程度の小さな旅に出るという。旅先でつい手を伸ばしてしまうのが、その土地でつくられた器や民芸品など。

「装飾としてのデザインよりも、機能性を求めた先にあるデザインが好き。あまり物を多く持たず、本当に良いものを長く使うようにしています」


Q 愛用の腕時計は?
A ノモス グラスヒュッテ

バウハウスデザインと呼ばれるシンプルで飽きのこない機能美が魅力。2年ほど前に夫からプレゼントされた。「ノモス グラスヒュッテでは、時計の心臓部であるムーブメントも自社製造。静謐(せいひつ)なデザインと物づくりに対する情熱や責任感の対照性が好きですね」

Q この1年で何に一番お金を使った?
A 自宅のリノベーション

築40年の低層ビンテージマンションを購入し、自らの設計でリノベーション。現在は自宅を実験の場にし、新たな空間の在り方を模索中。「最近はキッチンを一般の方々に開放してクッキングイベントを開催するなど、住まいを起点にした関わりを楽しんでいます」

 

(福田 彩 撮影=花村謙太朗、強田美央)