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●商品改良で先進安全技術の機能拡充を果たした「デミオ」

クルマを買う時、複雑なのはグレードによって価格に開きがある点だ。同一車種でも相対的に価格の低いグレードでは、安全装備が充実していなかったりする。そういった分かりにくさに対応すべく、マツダは小型車「デミオ」の商品改良を行った。

○「デミオ」の安全装備が充実、特別仕様車も登場

マツダでは商品の発売後も適宜「商品改良」を行うことにより、市場投入から時を経たクルマにも最新技術を導入してアップデートし、その商品の価値を落とさないようにしている。準備ができた技術から、既存車種に横展開していくというのが商品改良の基本的な考え方だ。

1996年に初代が登場し、現行モデルが4代目となる小型車「デミオ」では今回、先進安全技術「i-ACTIVSENSE」(アイ・アクティブセンス)の採用を拡充し、赤を基調とする内装の特別仕様車「Noble Crimson」(ノーブルクリムゾン)を新たに設定した。予約は始まっており、発売は12月7日の予定となっている。

○自動ブレーキの作動範囲が拡大

安全面で機能が向上した点を具体的に見ていくと、今回の商品改良でデミオには、車両だけでなく歩行者も検知できる「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート」のほか、「車線逸脱警報システム」や「ハイビーム・コントロール・システム」といった機能も標準装備となった。標準装備とはつまり、デミオであればグレードに関わらず、これらの機能が付いてくるという意味だ。

これらの機能が追加となったことにより、デミオは日本政府が普及・啓発に取り組む「セーフティ・サポートカー」(サポカー)の中でも、最も安全装備が充実した区分である「サポカーS・ワイド」に該当することとなった。では、サポカーとはどういうクルマで、デミオが「ワイド」該当となることはマツダにとってどういう意味を持つのだろうか。

●安心・安全があってこその「走る歓び」

○サポカーとは何か

サポカーとは、日本政府が普及を目指すコンセプトだ。自動ブレーキを搭載したクルマを「サポカー」と呼び、そこにペダル踏み間違い時加速抑制装置などを加えたクルマは「サポカーS」と呼ぶ。政府はサポカーSを「特に高齢運転者に推奨する」クルマと位置づけている。

サポカーSには、自動ブレーキの機能によって「ベーシック」「ベーシック+」「ワイド」の3つの区分がある。これまでのデミオは「ベーシック+」に区分されるクルマだったが、今回の商品改良で「ワイド」にランクアップした格好だ。

○主要6車種の全てが「サポカーS・ワイド」に対応

今回の商品改良により、マツダが国内で販売する「デミオ」「アクセラ」「アテンザ」「CX-3」「CX-5」「CX-8」(予約販売中)の主要6車種が全て、「サポカーS・ワイド」に対応することになる。これが、今回の商品改良で最も重要なポイントだ。

クルマはグレードによって価格に違いがあり、グレードごとに安全装備の内容が異なることもあるが、購入代金の多寡でクルマの安全面に差がつくのは、考えてみると少し違和感がある。内装の豪華さやエンジンの排気量などで価格が違ってくるのは分かるが、最低限の安全性能は、どのグレードでも担保しておいて欲しいと思う人は多いのではないだろうか。

クルマを購入する上で、安全装備の内容を重視したいと考える人にとってみれば、マツダの商品展開は分かりやすい。同社の主要6車種は今後、どのグレードを購入しても「サポカーS」の最高ランクである「ワイド」に該当していることになるからだ。

マツダでは今後、「ロードスター」でも安全性能の拡充を進める考えだという。スポーツカーであるというロードスターの性質上、重量を大幅に増やさないよう気を付けつつ、スタイルを崩さずに安全装備を導入する必要があるため技術的ハードルは高そうだが、デミオの商品改良に関する説明会でマツダ商品本部・副本部長の猿渡健一郎氏は、「(マツダが提供すると言い続けている)『走る歓び』は、安心・安全が担保されて初めて味わえるもの」とし、全車種で安全性能を追求する姿勢を明確に示していた。