【ライターコラムfrom岡山】C大阪歓喜の裏側で…飛躍を誓う一森と篠原「絶対に抜いたるぞ!って思う」

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 2017JリーグYBCルヴァンカップファイナルに挑んだセレッソ大阪が、ついに悲願の初タイトルを獲得した。秋に桜が咲き誇る姿を見て、C大阪の下部組織で育ち、現在はファジアーノ岡山でプレーする一森純と篠原弘次郎の二人は自分の立ち位置を見つめ直していた。

「悔しかったですねぇ。終わった瞬間に弘次郎にラインして、『悔しいな』『ほんまそれやな』って二人でイライラしてましたよ。一緒にやってきた同年代の選手たちがたくさんいる。もちろん、おめでとうって気持ちもすごくあるんですけど、自分はあのピッチに立ててへんって思うとすごく悔しい」と一森。

「最後にソウザが決めたときはちょっと鳥肌が立ちましたよ、勝ったぞ!って。でもやっぱり同年代の(柿谷)曜一郎くん、(山口)蛍くん、マルくん(丸橋祐介)、(杉本)健勇が中心になって優勝しているところを見ると、俺は何してんねんって思います」と篠原。

 C大阪U−15からU−18へと進んだ二人は、柿谷が二つ上で山口と丸橋が一つ上、杉本が一つ下にいた年代(同期は扇原貴宏や永井龍ら)。青春時代に同じボールを追い掛け同じ夢に向かっていた仲間たちが歓喜を爆発させる姿を目にして、胸中に複雑な気持ちが沸き上がるのも無理はない。もっとも、彼らの姿は二人の闘志に火を付けもした。

「俺はもう無理やなって思うことは一切なくて、絶対に抜いたるぞ!って思う。そういう気持ちがなくなったときはもう辞めようって思いますし、ほんまに強く早よJ1に行かんとって思いましたけど、近道はないんで。本当に地道にやっていって、それを続けることで評価してもらえると思うんで、続けていきたいなって思います」。篠原はメラメラと燃えるライバル心を口にしつつ、自分に言い聞かせるように足元を見つめていた。

 一森は一週間前に湘南ベルマーレが目の前でJ2優勝を目の当たりにしたことも含めて、「この2週間はほんまに悔しかった」と言う。

「ほんまこれからの日々を大切にやっていかんとって思います。今年を振り返っても、自分がチャンスを逃した結果やなって思うんです。自分がもっとしっかりとしていれば、このチームを絶対にもっと押し上げられた。その前の週に湘南が優勝するところを見たことも堪えました。秋元(陽太)選手が目の前でディフェンスと共に際で防いでるシーンを目の当たりにして、なんか強い気持ちがプレーに宿っている感じがしたじゃないですか。ああやって守るんやなって感じさせられたし、僕たちも上に行けないチームじゃないって思うんで、余計に悔しい」

 二人はまだ、J1の舞台に立つこともできていない。一森はC大阪U−18から関西学院大学へ進学し、卒業後に当時JFLのレノファ山口FCへ入団してJ3昇格、J2昇格を果たし、今季に岡山のオファーを受けた。篠原はC大阪U−18から2009年に東福岡高校へ転校し、卒業後に岡山へ入団するも、なかなかポジションを奪えず2014年にはロアッソ熊本へ期限付き移籍も経験して、今季から副将を務めている。

 埼玉スタジアム2002でC大阪に初タイトルをもたらした柿谷ら同年代の選手が歩んできた道と、二人は違う道を歩んできた。プレーヤーとして輝かしい道を歩んできたのは間違いなく柿谷たちだが、一つだけ言えることは一森も篠原もあきらめることを知らないということ。自分を信じて道を切り開いてきた二人はたくましく、これからもまだまだ上へ向かって突き進んでいく。

文=寺田弘幸