『頭痛は「首」から治しなさい』(青山尚樹/青春出版社)

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 頭痛のタイプを問わず、慢性頭痛の9割は「首こり」に原因があるという。頭痛の根本にアプローチし、薬に頼らないヒントを教えてくれる『頭痛は「首」から治しなさい』(青山尚樹/青春出版社)。著者の青山尚樹氏は、脳神経外科医であり、これまで頭痛に悩む多くの患者さんを診察し、薬に頼らず改善させることへと導いてきた。

 頭痛には慢性頭痛と、重篤な病気が潜んでいる可能性がある頭痛とがある。本書で扱う頭痛とは、慢性頭痛の方である。

■「肩こり」が頭痛の原因になることはほとんどない

 頭部全体で5、6kgという重さを支える首。前傾姿勢や、ストレートネックなどの形態的な問題も加わり、頸椎周辺の「板状筋」は常に高い緊張を強いられている。ちなみに肩のこり(僧帽筋の緊張)が、直接頭痛の原因になることは、ほとんどないそうだ。肩こりを持つ人は、たいてい首もこっている。頭を回したり傾けたりするときに働く、首を支える「板状筋」を押してみると、肩こりの人も気持ちがいいはずだ。マッサージ方法も掲載されているので、ぜひ、ほぐしてみてほしい。

 慢性頭痛の原因となる「首こり」(首の筋肉の緊張)を引き起こすきっかけは、内的要因として、姿勢、冷え、目の疲れ、噛み合わせなどがある。姿勢に気をつけること、首の後ろを常にあたたかくしておくことが大切だ。夏でも冷却枕を使用するのはよくないという。後頭部・頸部の血管を収縮させ血行不良となることで首こり、頭痛を引き起こすのだそう。

 外的要因としては、低血糖、鉄欠乏→自律神経の乱れ→血流低下により「首こり」がさらに悪化→慢性頭痛の発生、というメカニズムがあるそうだ。

■慢性頭痛の原因「低血糖」「鉄欠乏」を防ぐには?

 「低血糖」を防ぐためには、「血糖値を安定させる」ことが大切だ。お腹がすいた状態で丼やパスタを食べることや一日を通して血糖値に影響する「朝食抜き」も避けたい。食べ方のコツは、流行りの「糖質制限」だそう。主食となる炭水化物を控え、たんぱく質や脂質でエネルギーを補う食べ方だ。また、パソコンの使用などで長時間座る人は、頭痛に悩まされていることが多いという。姿勢の悪化に加え、「低血糖」を助長し、交感神経の緊張を高めるからだ。著者は30分ごとに体を動かすことを勧めている。

 「鉄欠乏」を防ぐには、鉄を効率よく摂ることが重要なので、女性はとくに、動物性食品のヘム鉄(レバー、牛肉、いわし、カツオ、マグロなどに多く含まれる)を食べることを心がけたい。鉄が欠乏すると、体は「酸欠状態」になるため交感神経の緊張を招く。また筋肉や筋膜の疲労、血行不良から首の筋肉のこりを助長する。

 「慢性」の状態は毎日の生活の積み重ねの結果なので、食習慣を含めた、生活習慣全体を見直していくことが大事なのだ。青山医師が提案する、さまざまなコツの中から、自分の頭痛に合った対処法を見つけて、ぜひ実践してほしい。

文=泉ゆりこ