米国のテキサス州で11月5日(現地時間)に発生した銃乱射事件の犯人が所有していたiPhoneについて、ロック解除できなかったことをFBIが明らかにしました。銃乱射犯のiPhoneをFBIがロック解除できなかったという出来事は、昨年にも別の事件で大きな物議を醸したばかりです。

iPhoneと名指しはしなかったが

「我々は該当の端末に侵入することができない」
 
テキサス州の教会で銃を乱射し、子供を含む26人の命を奪った犯人の端末をロック解除できなかったことについて、FBIの担当捜査官は「私はその端末が何かを語るつもりはない。買おうとする人物がみな悪人だなどとは言いたくはないから」と説明し、具体的な端末の名前を挙げることを避けました。
 


 
しかし、米メディアThe Washington Postによると、問題となっている端末はiPhoneであるとのことです。すでにAppleはFBIに接触し、仮にiPhoneである場合は当局に協力したいと述べたそうですが、FBIはiPhoneであることは認めたものの、当時点では要請は行われなかったそうです。
 
要請が行われなかったことについては、犯人のクラウドストレージのバックアップやラップトップからも手がかりを掴めるとFBIが判断したからではないか、とThe Washington Postはみています。

昨年もあったFBIとAppleの衝突

くしくも、FBIがiPhoneのロック解除に失敗するという出来事は、2016年前半に世界中を巻き込んで大きな問題となったばかりです。
 
2015年にカリフォルニア州東部で起きた銃乱射事件で、犯人が所有していたiPhone5cのパスコードが解除できず、FBIがAppleに協力を依頼したものの、Appleはパスコードの解除が不可能なことや、バックドアを設けるつもりもないことなどを挙げ、プライバシー尊重のポリシーに反してまで当局に協力するつもりがないことを明らかにしました。
 
これに対し、犯罪者のプライバシーを尊重するべきかどうかという議論がスマートフォン業界や政財界で持ち上がりました。
 
結局この時は、とある企業もしくはハッカーに1億円程度を支払って脆弱性を突き、FBIは解除に成功したと言われています。
 
 
Source:ArsTechnica,The Washington Post
(kihachi)