BOYS AND MENが伝える、歌謡曲とJ-POPの素晴らしさ エンタメ集団としてさらなる高みへ

写真拡大

 2010年に結成された、東海エリア出身、在住の10人によるユニット・BOYS AND MEN。彼らが2017年12月20日にリリースするニューアルバム『友ありて・・』は、楽曲ごとに平気で時空を超えてしまう。その姿は、現在から戦後昭和歌謡史を見つめ直すかのようなのだ。しかも2017年のJ-POPとして、新鮮な解釈で。

(関連:BOYS AND MEN「YAMATO☆Dancing」、楽曲に隠された「面白さ」を分析

 8月にリリースされたシングル曲「帆を上げろ!」も収録しているが、こちらはいしわたり淳治作詞、ヒャダイン作曲。いしわたり淳治による歌詞は男気、そして大海への船出を描いており、さらに「いいか、お前ら! この船に乗っているのは何人だ?」「10人!」「俺たちが力を合わせれば何人力だ?」「無限大!」というセリフがBOYS AND MENというグループの個性をまっすぐに伝えてくる。ヒャダインの作るメロディにあるのはユーモアとひねりだ。

 BOYS AND MENの躍動感を引きだした「帆を上げろ!」は、J-POPのリスナーに広く届きうる楽曲だろう。

 その「帆を上げろ!」のカップリングだった「NAGOOOOOYA」も『友ありて・・』に収録されている。これは1980年の沢田研二の「TOKIO」の名古屋バージョンだ。2017年の『社長がラジオで言ったから有言実行!ボイメン47 都道府県ツアー』で47都道府県を回った際に、ツアー各地で方言を交えながら「TOKIO」のカバーが披露されており、それをまとめたものが『TOKIO 47』として3月28日から配信されていた。そこからシングルカットされたのが「NAGOOOOOYA」である。47都道府県ツアーで趣向を凝らした成果である1曲だ。

 そして『友ありて・・』のタイトル曲は、なんと阿久悠作詞、都倉俊一作曲による楽曲。阿久悠と都倉俊一のコンビというと、ピンクレディーに限っても、「UFO」「サウスポー」「ウォンテッド(指名手配)」「モンスター」「渚のシンドバッド」などが即座に思い浮かぶ。阿久悠が2007年にこの世を去ってから10年となるが、未発表の歌詞で制作されたのが、10月10日に配信されたBOYS AND MENの新曲「友ありて・・」である。

 <いたみを分け与えてくれ/半分このぼくにくれ>という歌詞とともに始まるのは、まさに阿久悠の世界。一方で都倉俊一のメロディは普遍的な美しさで、驚くほど新鮮な感触をもたらす。2017年のJ-POPとしてしっかりと成立しているのだ。

 さらに11月3日から先行配信がスタートしたのが、阿久悠作詞、都倉俊一作曲による「UFO」。ピンクレディーが1977年に大ヒットさせた楽曲のカバーだ。BOYS AND MENはストレートにユニゾンで歌っており、<地球の男に あきたところよAh>と歌ってもなぜか清々しさすらある。その一方でMVはユーモラスなので比較してみてほしい。

 昭和歌謡を歌い継ぐことで、広く老若男女に届く楽曲を歌おうとするBOYS AND MENの姿がここにはある。

 BOYS AND MENの『友ありて・・』というアルバムは、少なく見積もっても1977年から2017年までの40年間の歌謡曲〜J-POPを体現している。過去と現在を自在に行き来しながら、しかし全体的な感触はあくまで2017年。しかも、若者はもちろんのこと、お年寄りや子供でも楽しめて、さらに全国各地の人々を楽しませようとした成果として「NAGOOOOOYA」も収録されている。エンターテインメント集団としての活動の幅の広がりとともに、より多くの人々が親しみを持つことができるアルバム。それがこの『友ありて・・』なのだ。(宗像明将)