若者離職本の元祖は?

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若者は仕事をすぐに辞めるといわれています。「石の上にも三年」といった言葉がありますが、現状はそうではないようです。そうした若者の就職状況を悲観する元祖とされている本が城繁幸の『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』(光文社新書)です。

タイトルで言い当てる本

光文社新書は『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』といった長いタイトルで内容を表すものが多くあります。本書もそのひとつだといえるでしょう。名前は知っているけれども、中身は何を語っているのか知らない人も多いのではないでしょうか。

何が語られているのか

実は『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』は若者批判の本ではありません。むしろ、年功序列の旧来のシステムを批判する本になっています。年功序列や実質的な終身雇用が日本の会社にはあり、そうした年代の会社員を養うための人件費が膨大となり、そのしわ寄せが若者に来ているといった現状を分析し批判する本なのです。

時代の萌芽

本書が書かれたのは2006年です。今から見れば10年以上前の本となりますが、現在の社会構造のはじまりの年代ともいえるでしょう。本書で語られている内容は、30代の働き盛りの社員の中に精神疾患を抱える人間が増えているといった現状が語られていますが、今はそれがさらに悪化してきています。日本の会社システムは、無限の経済成長とセットでなければ成り立ちません。その当たり前の結論に気づける本でもあるでしょう。