心と体がバラバラだと感じたら?「今ここ」にいる感覚を身につける

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「今ここにいる」という感覚

「今ここにいる」というのは、体と心が同じ場所に同時に、同じスピードで動いているということ。例えば、たくさんの仕事に追われた時、まだこんなにいっぱいある…と先を考え出すと、心だけ別の時間に行ってしまう。また、何であんなことやっちゃったんだろう…と考えるのは、心が過去に戻ってしまったということ。頭ではあれとこれとやることをいっぱい考えているのに、なかなか思ったスピードで物事を運べないのは、体と心や思考がバラバラの速さで進もうとしていること。

どれも解決する方法は一つしかない。それは目の前のことに集中することだ。集中すると、体も心も思考も同時に同じ次元で動けるから、効率がよく、理解も早い。そして気持ちがいい。目の前のことを一つずつ積み重ねていく。それが「今ここにいる」、唯一の方法なのだ。

なぜ、今ここにいないといけないの?

「今ここで起こっていること」を丸ごと100%体験するために、「今ここ」にいる必要がある。それは、体と心と思考が同時に同じ場所で同じスピードで動いていることだけが、本物の体験だから。今ここで起こっていることを体験し実感することが、自分が自分に与えられる「生きている証」というわけ。

与えられた命をどう生かすかを決めるのは自分自身。生きている今にしかできない、本物の体験を、一瞬でも一つでも多く体感したいなら、「今ここ」にいるのは必至なのだ。

【今ここにいるかどうかチェック】
次の質問に「はい」か「いいえ」で答えて。

1:自分の呼吸・体・感情に気づいている

2:1杯のお茶を飲むときなど、器の手触り、お茶の口当たり、香り、色、味などのちょっとした気遣いに、気づきながら体験している

3:一瞬一瞬を大切にし、毎日、毎秒、初めての体験を重ねていると言える

4:空想にふけることはなく、現実をしっかり味わっている

5:目の前の自分の身に起きていることに、いい悪いの判断をしないで、そのまま感じて体験できている

「いいえ」が多かった人は「今ここ」にいるのが苦手かも。でも、これらの質問のような体感をしながら過ごすことが、「今ここ」にいるためのレッスン。執着を手放して、心が穏やかになる方法でもある「今ここ」感覚、ちょっと意識してみませんか?

 

ライター:豊田紗江
出典:『Yogini』Vol.45 『 「今ここ」ってどこ?自分のいる場所チェック』