10月の「チャイナリスク」関連倒産は8件(前年同月比11.1%減)で、6カ月連続で前年同月を下回った。2016年12月以降、11カ月連続で一ケタが続いている。負債総額は31億7,900万円(同51.7%減)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。
 2017年1〜10月累計は、件数が49件(前年同期比45.5%減)、負債総額は359億3,700万円(同42.8%減)で、ともに4割以上の大幅減少となっている。チャイナリスク関連倒産は、2016年をピークに急速に沈静化している。
 倒産に集計されない「実質破綻」は、10月は発生しなかった(前年同月は3件)。


  • 「チャイナリスク」関連の集計基準
    「チャイナリスク」関連の経営破綻は、破綻の原因が次の8項目のどれかに該当するものを集計している。
    1. コスト高(人件費、製造コストの上昇、為替変動など)
    2. 品質問題(不良品、歩留まりが悪い、模倣品、中国生産に対する不信など)
    3. 労使問題(ストライキ、工場閉鎖、設備毀損・破棄など)
    4. 売掛金回収難(サイト延長含む)
    5. 中国景気減速(株価低迷、中国国内の消費鈍化、インバウンドの落ち込みなど)
    6. 反日問題(不買、取引の縮小、暴動など)
    7. 価格競争(中国の在庫調整に伴う相場下落、安価製品との競合など)
    8. その他

 2016年1-10月のチャイナリスク関連倒産のうち、「価格競争」を要因とする倒産は15件だったが、2017年1-10月は10件にとどまっている。チャイナリスク関連倒産がほぼ半減する中で、「価格競争」の減少ペースが鈍い。
 10月の負債が最大の倒産は、ラミネーター販売のエフ・ピー・アイ(株)(TSR企業コード:291047378、負債15億3,700万円、東京)。通貨オプションによる多額の損失発生に加え中国製の安価製品流入で販売不振が続き、10月18日に東京地裁から破産開始決定を受けた。
 また、金型製造の(有)長谷川製作所(TSR企業コード:291355641、負債7,200万円、東京)は、取引先の海外展開による受注減少や中国企業の廉価攻勢で業績不振に陥り、10月4日に東京地裁から破産開始決定を受けた。安価な商品に対し、技術面などで優位性を示せない企業の淘汰は進んでおり、中国企業が追随できない付加価値の創出がカギとなっている。