2017年10月の「東日本大震災」関連倒産は4件だった。7カ月連続で1桁台で推移し、収束傾向を強めた。ただし、累計件数は震災から6年半を経て、1,836件(10月31日現在)に達している。また、10月の負債総額は18億1,900万円で、2カ月ぶりに前年同月を下回った。

2017年10月の倒産事例

 建築工事の神奈川日本建工(株)(TSR企業コード:350919798、法人番号: 1020001032114 、神奈川県)は、地主に対しビル・マンション・アパート建設などを提案して建築工事を請負うほか、物件の管理業務も手掛け、ピーク時の売上高は17億8,000円を計上していた。
 しかし、東日本大震災の影響で仕掛案件の施工が大幅に遅延したことで、売上高は6億円まで落ち込み、赤字計上から大幅な債務超過に陥った。その後も業況が改善せず、支払遅延も生じるなど経営改善の兆しが見えないことから、2013年頃から事業を縮小し、債務整理を進めていた。
 自動車運転代行の(有)東北代行社(TSR企業コード:170212670、法人番号:1400002011722、岩手県)は、東日本大震災による津波で保有車両の大半が流失したことで実質廃業状態になっていた。このたび債務整理を目的に破産申請に踏み切った。

 2017年10月の地区別は、東北1件(岩手)と関東3件(神奈川2、群馬1)だった。
 「震災関連」倒産の累計1,836件を都道府県別でみると、最多は東京の553件。次いで、宮城158件、北海道85件、神奈川76件、岩手と千葉が各73件、茨城71件、福岡70件、群馬60件、福島と栃木が各57件、静岡50件、山形47件、埼玉46件、大阪45件と続く。直接被災地の東北6県の倒産件数は390件(構成比21.2%)だった。
 「震災関連」倒産の累計1,836件を産業別でみると、最多は宿泊業・飲食店などを含むサービス業他の487件(10月1件)。次いで、製造業が413件、卸売業が340件、建設業が222件、小売業が171件と続く。
 被害型で分類すると、「間接型」1,665件(構成比90.6%)に対し、「直接型」は171件(同9.3%)だった。

震災関連の集計基準

「震災関連」の経営破綻は、原則として次の3つのどれかに該当するものを集計している。

  1. 震災により施設・設備・機械等に被害を受けて経営破綻した(直接型)
  2. 以前から経営不振だったが、震災による間接影響を契機に経営破綻した(間接型)
  3. 震災の影響による経営破綻が、取引先や弁護士等への取材で確認できた(直接・間接型)
  • 集計では、すでに震災前に再建型の法的手続を申請しながら、震災による影響で再建を断念し破産手続に移行したケースなどは、倒産件数のダブルカウントになるため集計から除外している。
  • 「震災関連」の経営破綻は下記の「倒産の定義」のいずれかに該当するケースを「倒産」として集計。「事業停止」や「弁護士一任」、「破産手続き中」などの企業は、今後の展開次第で事業再開の可能性もあるため、「実質破綻」として区別した。

倒産の定義(対象:負債額1,000万円以上の法人および個人企業)

  • 会社更生法、民事再生法、破産、特別清算を裁判所に申請した企業(法的倒産)
  • 手形決済などで6カ月間に2回の不渡りを出し、銀行取引停止処分を受けた企業(私的倒産)
  • 企業が経営破綻により事業継続を断念したが、法的手続きを採らず弁護士などに事後を一任して私的整理(内整理)を明らかにした企業(私的倒産)