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社会が多様化・グローバル化するにつれて、暮らし方も多様化しつつあります。老後の生活と言ってもいろいろあります。自宅に住み続けたいと思う方もいれば、高齢者施設への入居を希望している方もいるでしょう。第2の人生は新たな土地で生活したいと考える方も増えているようです。2地域居住やIターン・Uターン・Jターンの潜在的ニーズは相当なもののようです。

私自身、江戸っ子ではありませんが、ほぼ東京しか知らないので東京が故郷だと思っていますが、2地域居住やIターンは大いに関心があります。いずれの場合も不動産を有効に活用して快適な老後を過ごすにはどうすればよいでしょうか。

○自宅で最後まで快適に暮らすには

要介護になっても可能な限り自宅で過ごしたいと考える場合は、定年前のまだ収入がある時期に、老後に向けて、不具合箇所の修繕やバリアフリー化、設備のリニューアルを済ませておきましょう。モノがあふれていると管理や掃除も大変なので断捨離も必要です。より安全なコンロなどに替える場合も、使い慣れないとむしろ危険です。新しい調理器具や油を使わない揚げ物の調理法などに、事前に慣れておくことが大切です。

リタイアする前に準備万端整えれば、あとは生活費や医療費、介護費用、趣味の費用など蓄えた金額や年金額に応じて考えれば済みます。ただし考えた通りにいくとは限りません。どうしても施設に入居といった事態や高額の医療費を必要とする事態も発生しないとは限りません。そうした場合にも安定した不動産収入があれば大いに助かります。また住まいを売ったり貸したりして、入居費や生活費を確保できるように日ごろから住まいの維持管理に努めなければなりません。

○将来Iターン・Uターンを考えているなら

別の土地で暮らすと言っても、様々なケースがあります。

例えば……

故郷に帰る(親の家に住む・別に住居を確保する)

海外で暮らす

気に入った土地で暮らす

2地域居住を楽しむ

地方で生活していたけど、都会に住む子供の近くに移住するケースもあります。都会の方が医療も充実して交通の便もよく、車がなくても生活できます。リタイア後の人生を故郷で過ごすという場合は別として、老後はのんびりと空気の良いところで過ごしたいと考えている場合は、実際に移住するまでに助走期間があった方が失敗ないと思います。

私の知り合いの夫婦は、子供がいないこと、自営で年金額が少ないこともあり、老後は東南アジアで暮らす計画で、若い頃から毎年年末年始を当地で過ごしていました。現地にも知り合いができ、数十年計画で準備していました。

目的地が不動産運用に適しているならば、収益物件を購入して活用しながら自分たちも利用する方法も考えられます。リタイアするまでは2地域居住のような生活を楽しむことになります。本格的に移住したら、逆にそれまでの住まいを活用することができます。

○高齢者施設に入居を想定した不動産活用

政府は在宅介護を推奨していますが、これからの時代夫婦で働くことを考えると、現実はなかなか難しいと思います。自立でき、住宅型の有料老人ホームやサービス付きの分譲住宅に入居する場合は高額の一時金が必要で、多くは自宅を売却して資金を調達します。いつでも有利に売却できる住まいであることが重要です。

また、高齢者施設に入居したら、日々の生活費もかかります。特に夫婦片方の要介護度が進んだことにより高齢者施設に入居し、もう一方が自宅という場合は、生活費が二重になります。こんな時は不動産所得があれば大いに助かります。老後になる前にローンを完済しておけば、安心です。老後破産が話題になるのは、老後は若い頃に想像していた範疇を超えた事態が起きうるからだと思います。

70歳過ぎても元気に働く人もいれば、いろいろ体の不調に悩まされる方もいるでしょう。そんな時、たとえわずかでも働かなくても得られる収入があると大いに助かるものです。趣味に没頭したい時、病気がちで医療費がかさむ時、ほんの数万円が本当に貴重です。

不動産収入はそうした面では、最適の収入源です。もちろんリスクの少ない市場価値の高い物件であることが最重要ですし、購入した時はローンの返済に苦しい思いもするかもしれません。しかし若い時にチャレンジしておけば、ローンを返済し、年齢を重ねた時はどれだけ安心かしれません。

不動産投資を始めたら、空室等のリスク回避のためにある程度戸数は増やしていった方がよいのですが、それはあくまでリスク回避であり、収入を増やしていくというよりも、確実にささやかなプラスアルファの収入を確保していくのがポイントです。あくまで副収入ですので、本業の収入を大切に、若い間は思わぬ事態の際に活用するための資金に、年を取ったら安心して暮らすための生活費に、堅実な不動産投資を考えてみませんか。

<著者プロフィール>

佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。

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