くしゃみなどで尿漏れを起こしやすい女性も多い(イメージ)

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 東京都心で例年より早く「木枯らし1号」が吹くなど冬の到来が近づく中、日用品メーカーが軽い尿漏れに対応した商品に力を入れている。秋から冬にかけては、寒さによる影響などで軽い尿漏れが起こりやすいとされる。軽度失禁市場は2016年度に約360億円となり、約20年で40倍に拡大した。各社は品ぞろえの拡充など販売強化を進めている。
 軽度失禁は、せきやくしゃみなどおなかに力が入ると漏れる腹圧性タイプと、尿意を感じたとたんに漏れる切迫性の二つがある。女性の尿道は約3センチ―4センチメートルで男性に比べると短いため、女性に起こりやすい症状だ。ユニ・チャームは10月から10cc、30ccの少量用タイプの吸水ケア製品「チャームナップ」を新たに発売した。

 寒くなると、夏に比べて汗をかかないため体内水分が多くなるほか、寒さが刺激となって尿意に敏感になるとされる。同社は1997年から軽度失禁者向け商品の販売をはじめ、前年度比2ケタの成長を続ける。

 また14年から男性向けの軽度失禁商品を発売。同社グローバルマーケティング本部の西浦辰徳ヘルスケアアシスタントブランドマネージャーは「男性向けの尿漏れ専用品は、約3年で市場が7倍に拡大し、急加速中だ」と明かす。

 17年の5月にはインターネット通販限定で、男女共用の軽い便漏れ対策商品を発売。「浸透具合を見極めて今後店頭販売するか考えたい」(西浦マネージャー)としている。

 花王は女性向け軽度失禁商品に力を入れる。中でも、超薄型の「リリーフ まるで下着 カラーパンツ」の販売が好調だ。独自に開発した伸縮素材を使うため、ヒダができにくく、服の上からも目立たない。同社サニタリー事業グループの後藤早紀氏は「尿漏れは誰にでも起こりうることだが、紙パンツの使用には強い抵抗感がある。使用者の体形を分析して、服の上から目立たず、はき心地がよいものを追求している」と説明する。

 風邪をひきやすい冬から花粉症がピークを迎える2―3月までは、女性はせきやくしゃみなどでおなかに力がはいった弾みで尿漏れが起こりやすいという。30―50代向け商品は生理用品売り場で販売し、60―70代向けは大人用おむつ売り場に設置して売り分ける。

 大人用の軽度失禁市場は高齢者の増加とともに拡大しており、今後もメーカーの取り組みが活性化していきそうだ。
(文=高島里沙)