積水ハウス常務執行役員・石田建一氏

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 積水ハウスは10月下旬、事業で使う電気全量を再生可能エネルギーにする企業連合「RE100」に加盟した。2030年までに電気の50%を、40年までに100%の再生エネ化達成を目指す。

 RE100にはアップル、フェイスブック、グーグル、BMWなど世界的な企業113社が加盟する。14年結成後、急拡大した。

 加盟企業は環境価値だけでなく、経済性からも再生エネを選んでいる。二酸化炭素(CO2)排出の規制強化で値上がりの可能性がある石炭火力と違い、再生エネはコストが下がり続けておりエネルギー費を抑制できる。

 日本からRE100加盟は積水ハウスとリコーの2社だけ。電気を使う側の企業が大量の再生エネを求めることも、導入拡大につながるはずだ。

積水ハウス常務執行役員・石田建一氏に聞く
 ―RE100に加盟した理由は。
 「当社は08年、住宅にかかわるCO2排出をゼロにする“脱炭素宣言”をした。そして09年、排出を半減する住宅、13年にはゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を製品化した。RE100はグローバルの共通言語としてわかりやすく、世界中に脱炭素への取り組みを発信できる」

 ―日本の制度では企業の再生エネ利用が難しいです。どのように再生エネを調達しますか。
 「19年以降、固定価格買い取り制度(FIT)を使った電力会社への売電が終わる住宅が出てくる。いわゆる“FIT切れ”となった住宅の太陽光発電から電気を当社が買い取り、事業活動に使う。これまで販売してきた住宅への搭載を中心に65万キロワット分の太陽光発電を供給してきた」

 ―住宅メーカーならではの仕組みです。
 「電力ビジネスで利益を出すことが目的ではないので、お客さまから太陽光由来の電気を市場よりも高い価格で買い取れる。住宅を購入したお客さまにメリットとなり、当社も再生エネ100%を達成できる。CO2ゼロとみなせる排出権を購入する訳ではなく、自然体で再生エネを活用できる」

 ―日本からのRE100加盟は2社だけです。
 「我々の加盟が日本企業への刺激となり、参加が増えるきっかけにもしたい。日本が環境後進国と言われるのは悔しい。企業が環境分野での取り組みを発信し、世界で日本の存在感を示してほしい」

【記者の目/CO2ゼロ電気、政府に要望】
 企業がFITを使って再生エネの電気を調達しても、CO2ゼロと認められない。そこで今、創設が決まった非化石価値取引市場がCO2ゼロの電気を購入できる仕組みになるのか注目されている。実現には、企業が政府に要望する必要がある。電気を使う企業からの声も、再生エネの大量導入に不可欠だ。
(松木喬)