米アマゾン・ドットコムがついに、AIスピーカーとも呼ばれる、音声アシスタント機器「Echo」を日本で発売する。

 すでに同社の日本サイトにアクセスすると、Echoシリーズの3モデルが表示されている。ただし、即日の注文受付は行っておらず、招待制による販売となる。

 つまり、アマゾンサイトに会員IDでログインして、商品詳細ページに行き、「招待メールをリクエスト」ボタンを押す必要がある。すると、アマゾンから後日、招待の電子メールが届く。これを受け取った人だけが、購入できるという仕組みだ。

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価格は5980円から

 Echoは、「Alexa(アレクサ)」と呼ぶ、人工知能(AI)を使ったクラウドベースのアシスタントサービスを利用できる機器で、米アップルがiPhoneなどで提供しているAIアシスタント「Siri」と同様に音声でさまざまな操作が行える。例えば、音楽を流したり、ニュースや天気予報を聞いたり、アマゾンでショッピングしたりすることができ、すでにAlexaに対応した外部企業のサービスも多数用意されている。

 アマゾンは2014年11月にその初代機を米国で発売し、2016年10月には英国とドイツでも販売を開始した。先ごろはインドでも販売を始めている。

 同時にアマゾンは、製品ラインアップの拡充も図っている。その種類は、基本モデルの「Echo」に加え、小型モデルの「Echo Dot」、スマートホームハブ内蔵の上位モデル「Echo Plus」といった具合だ。

 米国では、これらに加え、ディスプレーを搭載し、ビデオ通話も可能な「Echo Show」、カメラを内蔵し、利用者の全身画像を撮影できるファッション用途の「Echo Look」、小型の丸形ディスプレーを備えた「Echo Spot」も販売されているが、今のところ日本ではこれらは販売されないようだ。

 価格は、Echoが1万1980円、小型のEcho Dotは5980円、スマートホームハブ内蔵のEcho Plusは1万7980円(いずれも税込)。

 最上位のEcho Plusは、ホームオートメーションを利用する際に外部機器との接続を容易にする機能を組み込んだモデルだが、これを除いた2モデルはPrime会員を対象に、それぞれ4000円と2000円値引きする特別価格販売を11月17日まで行う。また、それぞれの出荷時期は11月13日の週になるとアマゾンは説明している。

国内大手企業がEchoの生態系に

 これらEchoシリーズの実体は、前述したAIアシスタントサービスのAlexaと言ってよいだろう。アマゾンによると、同社はAlexaの日本導入に向けて、音声認識や発話の技術、日本特有の知識などを一から作った。さらに、Alexaを利用するうえで重要になるのが、外部企業の開発者が提供する音声アプリだが、こちらも250以上が提供される予定という。

 これにより、例えば利用者は、NHK、TBSテレビ、テレビ東京、朝日新聞、毎日新聞といった報道機関を選択して、それらのニュースを聞くことができる。このほか、大手の菓子メーカー、飲料メーカー、家電メーカー、保険会社なども音声アプリの提供で、アマゾンと提携したという。

日本でも「Amazon Music Unlimited」開始

 アマゾンは、Echoの日本市場投入と併せ、昨年(2016年)10月に米国で開始した「Amazon Music Unlimited(アマゾン・ミュージック・アンリミテッド)」と呼ぶ、有料の音楽聴き放題サービスを日本でも始めたと発表した。

 アマゾンの音楽聴き放題サービスと言えば、Prime会員への特典として追加料金なしで提供する「Prime Music」があるが、こちらの楽曲数は100万曲程度。これに対し、新サービスは4000万曲以上をそろえる。

 その料金は、個人プランが月額980円、家族6人まで利用できるファミリープランは同1480円で、これらはアップルの「Apple Music」と同じだ。

 ただし、アマゾンは、個人プランの月額料金が780円に、年額料金が7800円になるといった、Prime向け割引料金を設定。同社サービスとの相乗効果を図っている。

 さらに同社は、Echoとの連携も図る。「Echoプラン」と呼ぶ、Echo購入者専用の料金体系を用意し、Primeメンバー、非Primeメンバーともに、月額380円で提供する。

 ただし、こちらには制限がある。個人プランなどの場合は、iPhoneなどのiOS端末やAndroid端末向けアプリ、パソコン向けアプリやウェブブラウザー、そしてEchoと、さまざまな機器で利用できる。しかしEchoプランでは、Echoでのみでの再生が可能で、利用できるEchoは1台に限られる。

 アマゾンは、Echoの所有者にまず、割安プランで、この新サービスを利用してもらい、気に入ったら、機器を選ばず利用できる上位プランにアップグレードしてもらいたい考えのようだ。

筆者:小久保 重信