後半17分、U-18日本代表FW田川亨介が左足で先制ゴール

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[11.8 AFC U-19選手権予選 U-18日本代表 2-1 U-18タイ代表 ウランバートル]

 “雪合戦”となったシンガポールとの第2戦でもFW田川亨介(鳥栖)の貢献度は確かに高かった。周囲を盛り立てながら、ロングボールには力強く競り続け、アシストも記録。PKからゴールも奪っている。ただ、本人の中に満足感はなかった。「自分が起点になるのも大事なんですけれど、やっぱり決定力をもっと高めないといけない」。その意識は、チャンスがありながら決め切れなかったことにフォーカスしていた。

 そして迎えたタイとの第3戦。グループで最も力のある相手との試合で、田川がその言葉を現実化させる。5バックで徹底して守備を固めてきた相手に対して決め手を欠いていた日本だが、0-0で迎えた後半17分だった。DFのクリアミスからの流れで、PA内で2人のDFに挟まれるような形になったが、「自分のフィジカルの強さを出せた」と言うとおりにパワーで跳ね飛ばしながら左足シュート。これまで何度も相手の人海守備に阻まれてきた攻撃がようやく結実し、ゴールネットが揺れた。

 試合はこの直後に同点ゴールを奪われるという最悪の流れに陥りかけたが、田川が再度の輝きで日本に流れを呼び戻す。今度は「ショートCKを受けた齊藤未月(湘南)の体の向きとかから『これはワンタッチで来るな』と思った」と素早く反応して、2度目のゴールを流し込んだ。これはワンチャンスでの同点ゴールに沸いていたタイにとって、心理面でも致命的なトドメの一撃となった。

 181cmの大型FWだが、元々はゴール前の競り合いやポストプレーよりも、スピードを生かして裏へ抜け出すプレーを得意とするタイプである。そのため、「自分はユースのときから引いて守ってくる相手への対応が課題だった」という弱みもあった。パワフルさと粘り強さ、そして一瞬の判断力で引いた相手から奪い取った2得点には小さからぬ意味も感じているようだ。

「引かれた場面から2点を取れた。J1リーグで試合に出るようになって、落ち着いてやれるようになっているし、プレーの安定感も生まれてきて成長を実感できている。もっともっと経験を積んで、もっと点を取れる選手になっていきたい」(田川)

 今年のU-20W杯では直前のメンバー入りの上に年少組という難しさもあった。だが、このU-18日本代表では最年長組であり、周りから頼られる“兄貴”的な立場である。

「リーダーシップを取っていかないといけないという気持ちはあるし、U-20W杯を経験しているので、その経験も伝えていかないといけない。あのレベルを考えれば、球際のところとかチームとしてまだまだ。そういうのも練習から伝えていければと思っている」(田川)

 豊富な経験値を持つチームの兄貴としての存在感はここまでも十分にあったが、この第3戦ではエースとしての力も見せ付けた。「僕らの目標は世界一ですから」とサラリと言ってのけた男は、すでに2年後の世界大会での躍進まで見据えている。

(取材・文 川端暁彦)
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