薬剤部での実証実験の様子(写真: NECの発表資料より)

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 NECは7日、スマートグラスを活用したARによるピッキングシステムを開発したことを発表した。

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 対象物から視線を外さずに操作可能な「ARmKeypad(アームキーパッド)」を活用し、製造や物流などのピッキング業務をAR(拡張現実)で支援していく。病院の薬剤部や工場の現場における実証実験を行うなかで、作業ミスの改善や作業時間の短縮などの効果が得られたという。

 このアームキーパッドは、スマートグラス上の表示画面を腕の傾きと腕へのタッチにより、選択や入力が可能になっている。これにより、作業者は対象物に視線を留めたまま、アイズフリーの状態での操作が実現。視線移動による取り間違いなど、作業の正確さとスピードが求められる現場での活用が期待できるという。

 具体的にピッキング作業時では、スマートグラス上でARが棚にある対象物の位置をガイドしてくれる。入力や選択時には、腕に取り付けた加速度センサを活用。腕を傾けることでスマートグラス上の画面選択を行い、腕へのタッチ操作で入力が完了する。

 病院の薬剤部での実証実験では、グラスカメラが処方箋のバーコードを読み込み、グラス上に薬剤のピッキングリストを表示、棚の位置や薬の場所もARがガイドしてくれる。薬剤を取り出して、腕を傾けることで確認登録をするとリストの薬剤は消去される。本実験では、従来1日の業務300件に対し、約5件の発生が想定されるピッキング時の取り間違いを0件にできることを確認したという。

 製造現場における実証実験では、ICT機器の修理業務時における物品管理にて、機器を保管してある棚から探すために本システムを活用。その結果、従来比で作業時間の18.2%を削減したことを確認したという。

 スマートグラスはBtoC向けでは、グーグルグラスが安全性とプライバシーの問題から販売を中止したインパクトが大きいが、BtoB向けの製品開発は、倉庫作業など活用シーンが多いことから、各社開発に力を入れているという。

 様々な用途での活用も期待されている。組み立て工場では、グラス上に作業項目が表示されることでハンズフリーによる効率化が実現。機械設備や電気設備などの点検作業では点検項目を表示することで点検漏れを防ぐことができる。NECも本アームキーパッドを今後は、製造・物流現場のみならず警備や流通など、ハンズフリーやアイズフリーが必要とされる現場での活用を広げていくとしている。