11月8日は、「いい歯の日」です。日本歯科医師会によって、1993年に設定されました。歯は、私たちが美味しい食事を食べるために必要な器官です。また、歯を健康に保つことは、体の健康を維持することにもつながります。
今回は、私たちの健康維持に重要な、歯磨きの歴史をご紹介します。


歯磨きの歴史は紀元前5千年から始まっていた?

歯の健康を保つために重要な歯磨きの始まりは古く、紀元前5千年には既に歯磨きが習慣化されていたとされています。紀元前5千年のバビロニアでは、食前に麻を使って磨いていたのだそうです。
そして、今私たちが日常的に使用している歯ブラシのルーツがあらわれたのが、紀元前3千年頃のエジプトでした。当時のエジプトの人々は、小枝の先をボサボサになるまでほつれさせた「チュー・スティック」を使用して歯を磨いていました。
さらに古代エジプトの人々は、歯磨きだけではなく、ハーブなどを使用して口臭予防をしていたそうです。はるか昔から、人々は口内環境を守るためにいろいろな工夫をしていたんですね。

歯ブラシがない時代は、植物を使って歯を磨いていました


お釈迦様は口臭に敏感?

仏教の開祖である釈迦は、「歯木(しぼく)」というものを使って、弟子たちに歯を磨かせていました。歯木は仏教と一緒に日本へ伝わり、当時、僧侶たちが身を清める儀式の際に使用されていました。
釈迦は、体臭や口臭は心身の穢れだと考えていたのです。とくに口臭は、仏教においてとても汚らわしいものと言われており、現在でも口臭を消すことを仏事として行うお寺もあるそうです。
お寺の門に、「不許葷酒入山門(葷酒(くんしゅ)山門(さんもん)に入るを許さず)」という言葉があるのを見たことはありますか?この言葉は、口臭を許さない釈迦の教えからきたものだったのです。
(※葷酒山門に入るを許さず:臭いの強い野菜や酒は修行の妨げになるから寺に持ち込むな、という意味)

浄光明寺の釈迦如来像


歯磨きは江戸っ子のたしなみ?

歯木が日本へ伝わったのは、538年。しかし、日本で歯磨きが普及したのは、江戸時代のことでした。当時の人々は、柳や竹の端をチュー・スティックのようにボサボサにしたもので歯を磨いていました。それは「房楊枝(ふさようじ)」と呼ばれ、浮世絵にもよく描かれています。
実は歯磨き粉が登場したのも、江戸時代のこと。当時の歯磨き粉には丁子・じゃ香・ハッカなどの香料が使われていました。当時販売されていた歯磨き粉の種類は、なんとおよそ100種類!その数からもわかるように、歯磨きは江戸の人々のたしなみだったのです。
歯磨きが日本で普及してから「歯ブラシ」というものが登場したのが、大正3年のこと。人類が歯磨きを習慣化させてから歯ブラシが登場するまでには、こんなにも長い歴史があったのですね。

今回は、歯磨きの歴史についてご紹介しました。いつまでも美味しい食事を食べて体を健康に保つために、食事のあとはしっかりと歯磨きをしましょう!

<参考・参照サイト>
日本歯科医師会
中通歯科診療所
ポーラ文化研究所
日本審美歯科協会
医療法人ほんだ歯科

歯磨きが普及したのは、江戸時代のこと