埼玉長野10キロのキス

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埼玉県はまわりを陸地に囲まれた海なし県として知られています。一体どの県に囲まれているのでしょうか。群馬県、栃木県、茨城県の北関東のほか、千葉県、東京都と接しており、さらに山梨県とも接しています。

もうひとつの県境

そしてもうひとつ忘れてはいけないのが長野県の県境と接していることです。しかしながら、その距離はわずかに約10キロしかありません。ネット上では、その姿がキスをしているかのようだと話題になりました。この10キロの間には、一本だけ道路が通っています。埼玉県と長野県を直通で結ぶ唯一の道路ですが、この道は特徴的なことで知られています。

大部分が未舗装

埼玉県と長野県を唯一結ぶ道路は、正式名称を秩父市道大滝幹線17号線といいます。もともとは林道だったものを、車道として整備しました。しかし、大部分がいまだ未舗装という過酷な道となっています。幹線道路や国道に指定されていたとしても、ひどい状態の道はネットスラングで酷道とよばれていますが、まさにその名前にふさわしい道になっています。

ガケが迫る

道路の幅は狭く、道沿いには岩壁がたちはだかります。崖崩れや落石などもたびたび起こるため、そのたびに道路が通行止めとなることもあるそうです。さらには、毎年11月25日から翌年の4月30日までは通行止めとなり、それ以外でも夕方17時から翌朝8時までは通行止のため、この道を通ることができるのは夏場の日中だけということになります。まさに幻の道路といえるでしょう。さらに、一部区間は携帯電話も圏外となるため、万が一事故が発生した場合などに携帯電話が使えないのはデメリットになります。

なぜ整備されない?

そこで気になるのはなぜこの道が整備されないのかという点ではないでしょうか。ひとつには周囲を迂回する道路がすでに整備されているのと、長野県と埼玉県という2つの自治体にまたがっているので、双方で整備のためのコンセンサスが取れない事情もあるのかもしれません。縦割り行政の弊害のひとつともいえるでしょう。