国内IoTセキュリティ製品市場、2021年には1250億円に 16年の2.4倍へ拡大

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 IDC Japanは6日、国内IoT(Internet of Things)セキュリティ製品市場に関して、2016年の市場規模は、前年比27.5%増の518億円となり、2016年〜21年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は19.3%、2021年の市場規模は1,250億円になるとの予測を発表した。

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 ハードウェア製品市場は、2016年の市場規模が144億円となり、2016年〜2021年の年平均成長率が15.1%、2021年には16年の2倍となる291億円に拡大すると予測している。

 現状では、遠隔制御用ネットワークや製造機械の稼働状況の把握を目的とした製造工場内ネットワークに対するセキュリティ製品の導入が大半を占める。このような用途では、信頼性や耐久性を備えたセンサーやモジュールを数多く活用することが不可欠で、今後はそういった製品の導入が進むと見られる。

 一方ソフトウェア製品市場では、あらゆる産業分野のさまざまな利用状況において、支出が加速していくと予測。例えば製造・資源分野では、企業が管理する設備内で運用していたIoTの利用環境が、クラウドへと移行することが進むと見られる。

 さらに個人消費者・クロスインダストリー分野では、宅内のスマート家電やパーソナルロボットなどスマートアプライアンス用途のIoT機器が増加することで、ソフトウェアの需要が高まると予測。2019年から2021年にかけてこれらの制御を目的としたアプリケーションソフトウェアへのニーズの高まりから、支出を加速させると見込んでいる。

 IoT環境へのサイバーセキュリティ対策が重要視される背景として、2017年5月に世界的規模で猛威を振るったランサムウェア「WannaCry」事件がある。これにより、インターネットに接続されたIoT機器や制御系システムへのランサムウェア攻撃の脅威が広く知られることとなった。

 IDCでは、IoTを取り巻く環境に適応し脅威に対応するためには、1社のベンダーではなく市場に参入している全てのベンダーが共に機能する必要があるとしている。

 近年、IoTセキュリティ製品市場は著しい成長を遂げているが、今後新たなビジネスを自社だけで構築し続けていくとリソースに限界が生じる可能性もある。自社サービスの向上に必要なものは何かを分析し、外部のアイデアや専門的な知見を積極的に取り入れていく姿勢が求められている。セキュリティ業界のみならずあらゆる事業領域の企業を巻き込む新たなビジネススキームを構築できるか否かがIoT市場の今後の成長速度を左右する。