カメラ落下で背もたれが大きくゆがんだパイプ椅子。画像はケンタロウ(@jeuntekiiu)さん提供

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2017年11月7日に東京ドーム(東京都文京区)で行われたアイドルグループ・乃木坂46のコンサートで、ワイヤーで会場上方に吊るされていたカメラが、公演中に客席へ落下する事故が起きた。

各メディアの報道などによれば、落下したカメラの重さは約40キロ。観客3人が軽傷を負ったという。インターネット上では、「一歩間違えば死亡事故だ」と驚く声が続出するとともに、事故の発生後も公演を続行した主催者側の判断を問題視する意見も相次いでいる。

翌日の公演は予定通り開催

落下事故が起きたのは、「乃木坂46 真夏の全国ツアー2017 FINAL!」と題したコンサート。グループ初の東京ドーム公演ということもあり、多くのファンが会場に詰め掛けていた。

乃木坂46の運営側はライブ翌日の11月8日昼、公式サイト上に事故を受けての謝罪文を掲載。7日の公演中に「撮影機材が落下し、お客様が負傷する事故が発生いたしました」として、

「事故にあわれた方には、心よりお詫び申し上げます。また、日頃より、乃木坂46を応援していただいている皆様には ご心配をおかけし、誠に申し訳ございません」

と謝罪した。8日夜の東京ドーム公演は予定通り開催するが、落下事故が起きた撮影機材は使用しないという。

各メディアの報道などによれば、カメラの重さは約40キロで、およそ6メートルの高さからアリーナ席の椅子に落下した。4本あるワイヤーのうち1本が何らかの理由で切れたことが原因だという。

落下したカメラが観客に直撃したわけではないというが、椅子にぶつかったはずみで当たった観客もおり、10代の男性3人が軽傷を負った。この事故をめぐっては、警視庁が業務上過失致傷の疑いもあるとして、当時の状況を詳しく調べている。

目撃者「避ける時間はなかった」

この公演に参加していた会社員男性(20)は8日、J-CASTニュースの取材に応じ、カメラが落ちたのは自分の席から「3列後ろだった」と振り返る。

メンバーが会場後方のステージで踊っていたことから、この男性はちょうど後ろを向いていた。そのため、カメラが落下した瞬間を目撃したという。

この男性によれば、カメラは上方から急降下した。「(観客は)誰も上を見てなかったので避ける時間はなかった」とも振り返る。会場では大音量で楽曲が流れていたためか、落下音や悲鳴は聞こえなかったという。

その後、落下したカメラは、すぐに会場のスタッフに回収された。コンサートは中断されず、そのまま楽曲の演奏が続いたという。また、男性は事故でけがをした人も目撃したとして、

「スタッフが車イスを持ってきて怪我人を乗せて行きました。その時ケガ人は片足を引きずっていました」

と説明した。そのほか、この男性が撮影した事故現場の写真を見ると、落下の衝撃でパイプ椅子の背もたれが大きくゆがんでいる様子が分かる。

運営側「当時下した判断としては、最善のものだったと考えております」

今回の事故について、インターネット上では「一歩間違えば死亡事故」「あと20cmずれてたら死人でてる」などと驚く声が相次ぐと共に、カメラの落下後もそのまま公演を続行した主催者側の判断を問題視する声が続出。ツイッターやネット掲示板には、

「中断、中止にしないのは有り得ない 安全確認も無しに続行は考えられない」
「カメラが落下してけが人出たら、少なくとも一旦中断だろ?乃木坂運営は何やってるんだ」
「乃木坂の運営頭おかしいだろ。普通中止するぞこのレベルの事故」

といった厳しい指摘が相次いでいる。

こうした指摘が出ていることについて、コンサートを主催した「乃木坂46」マネジメント会社の担当者は8日昼、J-CASTニュースの取材に対し、

「私どもとしては、現場が当時下した判断としては、最善のものだったと考えております」

と話した。