9月の実質賃金、4カ月連続の減少 名目賃金は上昇傾向続く 厚労省調査

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 厚生労働省の発表によると、一般労働者とパートタイム労働者の双方で、雇用と賃金が安定して伸びる傾向にあるものの、物価変動を除いた実質賃金は引き続き減少していることが分かった。

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■パートタイム労働者賃金の大きな伸びが続く

 7日、厚生労働省が「毎月勤労統計調査」の9月分速報を発表した。1人平均の賃金における現金給与総額は29万7,427円で、前年同月比0.9%増。今年7月に0.6%減となったものの、8・9月と2カ月連続で増加しており、2014年以降の緩やかな増加傾向が変わらずに続いている。一方で、物価変動を除いた実質賃金は同0.1%減と4カ月連続で減少となった。

 またその内、一般労働者は34万2,005円(前年同月比0.6%増)、パートタイム労働者は9万6557円(同1.1%増)だった。パートタイム労働者の時間当たり給与は1,113円で、前年同月比2.3%増。これは昨年12月から10カ月連続で2.0%を超える伸びとなっている。

■業種で異なる賃金の伸び

 産業別の賃金を見ると、伸び率の高い分野では、生活関連サービス業(19万6,594円、前年同月比4.9%増、以下同じ)、金融業・保険業(38万4724円、3.4%増)、教育・学習支援業(30万4,766円、2.7%増)、製造業(31万6,695円、2.3%増)がある。

 一方で、複合サービス事業(29万2,864円、3.6%減)、情報通信業(38万9,641円、2.2%減)、電気・ガス業(44万5,582円、1.7%減)などがマイナス。一般労働者やパートタイム労働者別の集計でも似たような傾向にあるが、教育・学習支援業に従事するパートタイム労働者の賃金、9万6,910円、同11.5%増の伸びが目に付いた。

■一般労働者とパートタイム労働者で雇用内容に変化が現れる

 2015年平均を100とした労働時間の増減を見ると、全体と一般労働者では前年同月比で変わらずの一方、パートタイム労働者は1.3%減だった。パートタイム労働者の労働時間が減少する傾向は数年に渡って続いているが、今回はパートタイム労働者における所定外労働時間が12.6%減と二桁マイナスになった点が目を引いた。

 パートタイム労働者比率も0.33%減とわずかながら減少しており、これまで増える一方だった割合に、変化の兆しが見えてきた。

■安定した職に就く人が増える

 安定した職に就いている人を示す常用雇用指数は105.5、前年同月比2.7%増となった。常用雇用指数は、ここ数年2%を超える伸びが続いており、詳細な労働条件はともかく、新たに職に就く人が増える状況にあることが分かる。

 多くの業界で人手不足となっているのは周知の通りで、労働者にとっての売り手市場が当面続きそうだ。