ヴァイオリニストの葉加瀬太郎が8日、都内でオンライン・ヴァイオリン・スクール『葉加瀬アカデミー』の開校記者会見をおこなった。来年4月の開校にあたり、教材監修をおこなったヴァイオリニストの澤和樹らが出席した。会見では高校時代にヴァイオリンを葉加瀬に教えていたという澤が、当時の葉加瀬について「細くて、髪の毛は七三分けだった」と、現在の姿から想像できないような容姿だったことを明かした。

葉加瀬太郎と澤和樹

 『葉加瀬アカデミー』は校長を葉加瀬が務め、彼が独自に開発したヴァイオリン練習メソード「葉加瀬メソード」を提供するオンライン型ヴァイオリン・スクール。「情熱大陸」や「エトピリカ」など葉加瀬のヒット曲やクラシックの名曲を演奏レベル別にアレンジしたオリジナルの練習曲を通じて幅広い音楽ジャンルに対応した演奏技術を楽しく習得できる。2018年4月に正式サービスを開始予定で、今月8日から無料モニターを募集する。

 一つの授業は約20分程度。会員向けのコンサートや合同合奏会、サマースクールなどの会員同士の交流も予定しているという。

 葉加瀬は「僕自身子供の頃からずっとヴァイオリンをやって来て、普通だったら学校卒業後に生徒を教えたりすることが多いのでしょうが、僕はポップミュージックの道を歩いてきました。若い時は自分の音楽を追求することしか考えていませんでした。若い芽をへし折ってやろうというくらいに思っていました(笑)」と振り返りながらも、娘が生まれて気持ちの変化があり、ライブでもヴァイオリンケースを持っている小さな子どもがサインを下さいと言ってくれるようになりました。数年前から次の世代に音楽、ヴァイオリンの楽しみを教えてあげたいと思うようになりました」と開校に至った想いを明かした。

 ヴァイオリニストの東儀祐二氏に師事した同門の兄弟子で、葉加瀬が高校生の時にレッスンをつけていたという澤は「演奏はすごく情熱的で歌いまわしはずば抜けている印象を受けました。当時は電信柱のような背が高くて細くて、髪の毛は七三分けの直毛で今とは全然違う見た目だったことも記憶に残っています」と当時の葉加瀬の様子を語る。

 今回のスクールについて澤は「アイリッシュやジャズなど、オンラインで幅広い音楽を含む教材でこれはヴァイオリンのメソードでは画期的なことだと思います。現在はクラシック音楽の道に進む子どもは目に見えて減っています。これは少子化だけの問題ではないと思います。少しでも子供たちやそのご両親がクラシック音楽に興味を持って頂ければ、そういう所でこのスクールに期待しています」とコメント。

 また、「鈴木鎮一先生のスズキ・メソードはヴァイオリンの初期教育としてアメリカ、イギリスをはじめ、世界各国で高く評価されています。葉加瀬メソードもオンラインなので今後、多言語化ということも考えております」と葉加瀬メソードの世界的な普及にも意欲的であるという。

 葉加瀬アカデミーを展開する、株式会社ハツアンリミテッドの代表取締・役坂本健氏は「私事ですが、高校時代にブルーグラス・バンドをやっていまして。私もこのアカデミーに入校いたしまして、私の友人のやっているカントリー・バンドでフィドル(クラシックではなく民族音楽でのヴァイオリンの呼称)を弾きたいと思っています。老後の楽しみが実現できると楽しみにしております」と自らレッスンを積極的に受ける意欲を示した。

ヴァイオリンを教える葉加瀬太郎

 会場では、葉加瀬がコンサート時に観客を一人選び、ヴァイオリンの音の出し方を練習する人気コーナー「太郎さんとヴァイオリンを弾こう!」の実演も。一度も弦楽器を引いたことのない会見の司会者に葉加瀬が持ち方から音を出すところまでを丁寧に指導した。最初は“ギィー”という音しか出なかった司会者も最後には綺麗な単音を出すことができた。

 司会者は「ありがとうございました。音符も読めないのですが、葉加瀬さんと練習するのは楽しいんだな、と思いました。また挑戦したいと思います」と目を輝かせた。

 葉加瀬は「ヴァイオリンを触ったことがあるけど長い間触っていないという人も、世代も性別も関係なくみんなとヴァイオリンを通じて音楽を楽しみたいです」とスクールについて語る。さらに、将来の夢として「僕も『スズキ・メソード』を4歳から10歳までやって楽器を弾く楽しみを教えて頂きました。ヴァイオリンを弾くことによって音楽の楽しみを得るようなことが、世界に広がっていけばと」と次世代の「スズキ・メソード」を目指す。

 そして「『葉加瀬アカデミー』でみなさんと音楽を通じてよりよい社会を作っていければと思います。よろしくお願いします」と呼びかけた。【取材・撮影松尾模糊】