シードコンタクト、自動化で“純国産”をアピール

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 シードは鴻巣研究所(埼玉県鴻巣市)に完成したコンタクトレンズの新生産棟の準備を急いでいる。12月から生産を始める予定で、生産能力の拡大で供給力が大幅に高まる。また、新棟には既存棟で培った自動化・省人化のノウハウを“移植”し原価低減につなげるほか、次世代製品の事業化など、将来の布石としても役立てる。

 新棟は主に1日使い捨てソフトコンタクトレンズを生産。中でも96枚入りなど売れ筋商品を生産する予定だ。2019年3月期には新棟で月1000万枚の生産体制を確立し、生産量は現行比3割増の同4250万枚に高まる。1日使い捨てレンズの販売が好調な中、中期的な生産能力を確保する狙いだ。

 同レンズは外側・内側の二つの樹脂型の隙間にレンズ原料のモノマーを注入し、レンズの形を作る。これを硬化し、樹脂型から取り外すが、この樹脂型の成形からレンズの取り外しまでの工程を統合することで効率を高めている。この工程を新棟にも展開する。

 また、検査や梱包といった後工程でも自動化に取り組む。「まだまだ効率化できるところがある。人から機械への置き換えを追求する」(技術部)方針だ。

 鴻巣研究所は07年に設立した。新棟は3号棟であり、使い捨てレンズの需要増とともに、07年に1号棟を、14年に2号棟を完成し、能力を増強してきた。

 新棟は能力増強だけでなく、工場全体の効率化も視野に入れる。1号棟は遠近両用や乱視用、2週間タイプや輸出品など4877品目を手がける“多品種少量生産拠点”だ。一方、2号棟が手がけるのは96枚入りなど売れ筋商品を中心とする62品目で“超大量生産拠点”だ。

 新棟の稼働により、1号棟で製造するロットの大きい製品を新棟に移すとともに、1号棟は小ロット品や成長が期待される輸出品などの生産を増やす。「余力を生み出すことで多品種少量への対応を高める」(同)。

 新棟では現在開発中の新素材を使った次世代品も生産する予定。現在の効率を高めた生産手法を新製品にも生かすことで、既存品からの置き換えを速やかにしたい考えだ。

 コンタクトレンズ市場は競争も熾烈(しれつ)だ。同社は国内メーカーとして「日本人に合ったデザインやニーズをすぐに反映できる」(同)という自負がある。国内拠点の自動化・省人化でコスト競争力を高めるとともに、ニーズに柔軟に対応する“小回りの良さ”にも磨きをかける。