10月の景況感、5カ月連続で改善 帝国データバンクが調査

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 帝国データバンクが発表した景気動向調査によると、製造業や運輸・倉庫業を中心に、幅広い業界で景気が回復傾向にあることがわかった。

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■来年早々に第二次安倍内閣での最高値更新を予測

 6日、帝国データバンクが発表した『TDB景気動向調査 -2017年10月調査結果-』によると、10月の景気DI(動向指数)は、49.1ポイントで、前月比0.7ポイント増。5カ月連続での改善となった。2017年の推移は、5・6月が46.5ポイントで横ばいとなったほかは、全て前月比プラス。それ以前を含めると、2016年夏場から、ほぼ右肩上がりで上昇が続いている。

 第二次安倍内閣が発足した当初(平成2012年末から2013年ごろ)の35ポイント台から、2014年3月には51.0ポイントまで上昇した。今回発表の予測では、2018年4月に51.2ポイントと第二次安倍内閣での最高値更新を予想している。

■機械分野の好調とインバウンド需要で化学製造分野も改善

 業界別では、農・林・水産(前月比+1.9ポイント、以下同じ)、建設(+1.0)、不動産(+1.0)、製造(+0.9)、卸売(+0.7)、小売(+0.2)、運輸・倉庫(+0.9)、サービス(+0.3)が改善、金融(-0.1)、その他(-0.3)が悪化。

 9カ月連続で改善した製造分野は、過去最高を更新した機械製造(10月:59.3ポイント、前月比+2.2ポイント、以下同じ)、昨年12月から11カ月連続でプラスとなっている電気機械製造(53.7、+1.5)、「機械や電子部品の需要拡大を受けたゴムやプラスチック関係、インバウンド消費の増加を受けた市販薬などのヘルスケア商品が寄与」(調査結果より)した化学品製造(52.5、+0.7)などが、底上げした。

 建設分野も5月から6カ月連続、卸売、サービス分野も6月から5カ月連続で改善している。

■地域別では九州が3年7カ月ぶりに50ポイント台を回復

 地域別では、全国平均(49.1ポイント)を上回っているのが、九州(50.5)、北関東(50.2)、東海(50.0)、南関東(49.7)、北陸(49.3)。下回っているのが、北海道(48.6)、中国(48.6)、四国(48.2)、近畿(48.0)東北(45.9)だった。9月との比較では、四国のみ-0.3とマイナスで、北海道と東北が変わらず。

 平成2013年3月以来の50ポイントと回復となった九州地区は「災害復興が継続しているほか、住宅投資への需要も高く『建設』『不動産』が大きく改善した」(調査結果より)とレポートしている。

■様々な業界内の声

 資料では、各業界内の声を紹介している。現況、先行きともに好感視している声もあれば、厳しい見通しを述べる意見もある。いくつか紹介してみよう。 ※○・△・×は資料内で景気に対する判断

【現在】 ○乳価改定の効果が継続している(農業協同組合) ×農産物出荷が安定しない(野菜農作業) ○製造業の設備投資は食品・化学・薬品等が大規模ではないが中規模程度の投資をしており、職人が足りない状態になってきている(熱絶縁工事) ×雨天が続き、受注はあるのにこなせない(防水工事) ○五輪需要と東京都心の再開発事業の現場が少しずつ動き出した(製缶板金) ×天候不順により消費が伸びない(米麦卸売) △売り上げは伸びないが、仕入れ価格が安定し増益傾向(燃料小売) ×高齢化にともない、雇用確保が非常に難しくなっている(一般貨物自動車運送) ○イベントの多さに加え、地方選挙・衆院選挙などが重なり上向いた(ディスプレイ)

【先行き】 △農業界は、諸外国との経済連携協定(EPA)など国の外交政策に不安を感じている(畜産サービス) ○九州の震災復興が、あと2年は続くと見込む(一般土木建築工事) ×大きな工事に労働者がとられ、労働者不足が顕著になってくる(土木工事) ○東京五輪や所為日税引き上げまではやや良い(建物売買) ×政策的な後押しもないため、好転する時期などの予測ができない(建物売買) △リコール問題で、今後はメーカーによる違いが大きく表れる可能性がある(自動車(新車)小売) ×宅配便について、運送料の大幅な値上げが予定されており、現在の状況では消費者に価格を転嫁することは難しい(普通倉庫) ○2020年近くまで仕事は多くあり、人手不足が続くと考えられる(労働者派遣)

 東京オリンピック開催の2020年までは景気の上昇基調を見込む声が多いが、それ以降の不透明さも垣間見える状況だ。人手不足を唱える声は多く、景気の足を引っ張りそうだが、人材派遣業や省力化を進める機械産業、コンサルタント業にはプラス要因となりそうだ。