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職場で、運動会や社員旅行などの社内イベントが開かれることがある。社員同士の親睦を深めることで、業務をよりスムーズにすることを目的として行われるものだが、「せっかくの休日を仕事の延長の社内旅行で潰されたくない」という意見を持つ人も珍しくないだろう。

インターネット上のQ&Aサイトには「社内運動会に絶対に参加するよう強制された。他の部署では、家族が参加する競技のために家族ごと強制参加になった」「欠席します、といったら上司にキレられた」との声も。さらには、「休日なのでもちろん給料は出ない。なのに絶対参加するように強要する権限が会社にあるのでしょうか」との質問も投げかけられている。

このような社内イベントへの参加も、「業務」として、休日出勤手当・残業代を請求できるのか。業務ではないとして参加を拒否して、そのことで不利益を被った場合には、パワハラに該当するのか。山本幸司弁護士に聞きました。

●残業代、休日出勤手当が認められるケースも

「社内イベントへの参加は、休日など会社の業務時間外に開催される場合でも、『業務』にあたることがあります。

最高裁判所は、『労働時間』について『労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間』としています(平成12年3月9日判決。民集54巻3号801頁)。つまり、会社が参加を命じていれば、労働時間となるのです」

実際には、強制参加とは明言しないものの、実質的には強制となっているケースもありそうだ。

「純粋に自由参加であれば、労働時間ではありません。ただし、表向きは自由参加とされていても、実質的に参加が義務的であれば、労働時間とされることがあります。例えば、不参加の場合に会社から不利益を受けるといった事情があれば、労働時間となる可能性があります。

社内イベントへの参加が労働時間と認められると、その時間は労働したとみなされ、給与や残業代、休日出勤手当等を請求できます」

業務として認められれば、拒否もできないということか。

「会社から参加を命じられた場合、就業規則等の内容によっては、参加が義務となることもあります。

業務として命じられた社内イベントに参加する義務があるとなると、参加を拒否すれば、業務命令違反となります。その結果、不利益を受けても、パワハラとはいえません。しかし、会社のその命令が労働者に不当に苦痛を与えるものであったり、嫌がらせ目的で行われていたりする場合などは、業務命令は無効となり、パワハラとなる可能性もあります」

(弁護士ドットコムニュース)



【取材協力弁護士】
山本 幸司(やまもと・こうじ)弁護士
広島弁護士会所属。企業法務(大企業、中小企業、医療機関など)、不動産、労働、相続・離婚問題、刑事事件などの分野で経験を積み、広島市で独立開業。税理士と共同して、法務・税務の両面を踏まえた解決にも対応可。
事務所名:山本総合法律事務所
事務所URL:http://www.law-yamamoto.jp/