遅れてきた“秘密兵器”長澤、泰然自若の心構え 「チャンスはいつ巡ってくるか分からない」

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ハリルホジッチ監督から代表に抜擢 「分かりやすく選手に伝えてくれる」

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督が期待する新戦力、代表初招集のMF長澤和輝(浦和レッズ)は、高揚感や浮き足立った感じを全く見せることなく、地に足のついた様子を際立たせている。

 国際親善試合のブラジル戦が行われるフランス入りしているハリルジャパンは7日、非公開で戦術面にも踏み込んだトレーニングを行ったが、長澤は「自分のプレーができて、それがチームの勝利につながれば」と冷静に話した。

 長澤は専修大からJリーグを経由せずにブンデスリーガのケルンに加入。その後、チーム内でも存在感を発揮したが、膝の負傷もあり日本への移籍を決断し、浦和が昨年1月に保有権を獲得。昨季はJ2ジェフユナイテッド千葉でのプレーを経て、今季浦和に復帰している。ミハイロ・ペトロヴィッチ前監督の指揮下ではほとんど出場機会を得られずも、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝の上海上港(中国)戦の活躍もあって、いきなり代表に抜擢された。

 そうした状況にも長澤は「チャンスはいつ巡ってくるか分からないので、その部分は身を持って体験したと思う。大学の時もいきなりブンデスリーガに行きましたけど、常にやっていくことが次のチャンスにつながるかもしれないので。そうは言ってもいつ来るか分からないので、やり続けるしかないと思います」と、泰然自若を貫く。

 今回はMF香川真司(ドルトムント)が招集外となり、長澤は代わってインサイドハーフに入ることが濃厚だ。浦和でも堀孝史新監督の下で務めているポジションであり、ハリルホジッチ監督の戦術にも「分かりやすく選手に伝えてくれると思う。守備なら、こういうポジションで、こう出ていけと。指示の部分で分かりやすいですね。チームでやっているのと同じポジションが良さを出せると思う。守備や攻撃で求められていることが、監督の言葉や態度から勉強できれば」と、スムーズに順応できていることを明かした。

自分のプレーがチームの勝利につながれば…

 それに加え、今回は浦和から長澤を含めて5人が招集された上に、FW大迫勇也はケルン時代のチームメイトでもある。すでに大迫とはチームの近況などコミュニケーションを取ったと言い、「そこまで気を遣わずに入れた」と不安はない。

 指揮官は競争意識を植え付けることを重要視し、来年6月のロシア・ワールドカップに出るためには選手たち自身がその切符を勝ち獲ることが必要だと力説している。だが、長澤はチームと個人を分けた言葉で本大会への道のりを見据えている。

「目標として、チームでワールドカップに向けてというのが日本代表としてあると思いますけど、個人としては初選出ですし、試合に出ればまずは自分のプレーを出すことが必要だと思う。それがチームの勝利につながればなお良いですし、まずは次の試合にフォーカスしたい。もちろんチームとして本大会を目指しているので、一員としてそこは目指すべきことだと思いますけど、まずは目の前の2試合に集中したいと思います。チャンスでもあるので、自分のプレーができて、それがチームの勝利につながればという思いですね」

 ピッチ上の激しく相手に挑みかかる姿勢とは対照的な冷静さばかりが目立った。一方で、ハリルホジッチ監督が若手選手に不満を持ちがちなコミュニケーション能力に問題がない部分も垣間見せている。

 遅れてきた“秘密兵器”と期待される長澤は、上海上港戦で元ブラジル代表MFオスカルを封じ込めるなど、トップレベルのプレーヤーに対して遜色ない部分を見せた。ブラジル、ベルギーという強豪を相手に、日本代表の一員として新風を吹き込むことができるだろうか。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images