スタンプを多用するのは中年!? あれだけ若者に重宝されたLINEに変化が……

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 前略、このところ、LINEにまつわる話題がちょっと賑やかだ。とにかく絵文字を使いたがる、メッセージが長いなどの「おっさんLINE」を再現する遊びが若者の間で流行っているとか、人気モデルのみちょぱ(19歳)による「若者はもうLINEスタンプ使わない」発言など、年長世代と若者の「LINE観」がズレてますよ!と指摘するニュースが盛り上がっている。

 いやはや、「ようやく時代が私に追いついたのか」と、感慨深くなる次第だ。私は昔から、有料スタンプはほとんど購入しない主義で、無料スタンプはダサいので使わない(失礼)。メッセージに絵文字を多用する「おっさんLINE」的なやつも、最初のうちこそ「キラキラ」「♡」なんかを付けていたけれど、今じゃ面倒くさいので「サバサバキャラ」を演じて絵文字なしである。が、何の問題もない。

 まさか、このアラサー婆が「LINEスタンプ使わない」女子高生のコミュニケーションを先取りしていたとは……しみじみしつつ、ハッとした。節子、それJK関係ない。みんな、面倒くさいのが嫌なだけや。

 実際、スタンプによるコミュニケーションは面倒だ。私の周りには作家さんや編集さんが多いが、皆ほとんど使わない。使うとしても「やり取りのシメ」か「完全にネタ」のどちらかで、スタンプが重要!と感じたことは一度もない。

 この忙しい合間に、毛づくろいし合う猫みたいなことはやってられないのだろう。地元友だちとのグループLINEでも、スタンプはほぼゼロだ。タイムラインを遡るのに邪魔だからである。グループLINE自体、たまに集まる日程を決めるのに使うくらいで、日常的には稼働していない。

 私の世代ですらこうなのだから、「若者の間ではLINEによるコミュニケーションが『オワコン』と化した」なんていう人もいる。本当だろうか。

 LINE社の2017年12月期第3四半期の連結業績資料によると、LINEの国内ユーザー数は7000万人を突破。もはやスマホユーザーには欠かせないインフラになったといえる。特にスマホしか持たない10代にとっては、LINEの「1人1アカウントは当たり前」で、昭和の「家電(いえでん:家にある電話)」レベルで普及しているといっても過言ではない。そこまで普及したLINEに、もはや目新しさはないだろう。学校の連絡網みたいなもんだから、やり取りの内容は普通でいいし、遊びの要素は必要ないのである。

◆連絡ツールとして「原点回帰」したLINE、戯れを楽しむインスタ

 スタンプを使わず、長文メッセージを避け、時には「了解」を「り」で済ませる若者たち。「○月○日〜〜集合」「了解」だけで十分で、余計な遊びは必要ない。彼らはコミュニケーションを楽しむのではなく、ただ「メッセージの意味内容を正確に伝えること」だけを重視している。そう、LINEはオワコンというより、普及しすぎたからこそ「情報を正しく伝達するコミュニケーションツール」へと「原点回帰」したのではないか。

 若者たちは、「原点回帰」したLINEを使いつつ、同時に「コミュニケーションそのものを楽しむ」ためのツールも求めている。それがインスタグラムのストーリー(短い動画)やSNOW、B612などのエフェクトだ。

 外野からは意味不明な画像やストーリーを共有し、友人同士のつながりを確かめ合う若者たち。どんどん「標準言語」を離れていくそのやり取りは、まさに「コミュニケーションのためのコミュニケーション」。昔はLINEスタンプがその役割を担っていたが、サービス開始から6年が経ち、状況は変わった。

 伝達ツールへと「原点回帰」したLINEと、戯れのコミュニケーションに必要なインスタグラム、SNOW。若者にとっては両方、必要なインフラだ。インスタグラムすら使いこなせない私は、やっぱり女子高生に敵うわけもないのであった。ストーリーのひとつでもUPしてみるかと思ったが、なにしろ面倒なのである。年を取るってこういうことかなぁ。とりあえず安心して下さい。LINEはまだ「オワコン」じゃありませんよ……という感じで本論をシメたいと思います。草々。

<文・北条かや>

【北条かや】石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)。公式ブログは「コスプレで女やってますけど」