職場でSDGsへの貢献について検討

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 住友化学は役員が「持続可能な開発目標」(SDGs)のどの目標達成に貢献するかを表明している。情報電子化学部門を統括する出口敏久副社長は目標7(エネルギー)、12(消費・生産)、11(都市基盤)、17(連携)。もちろん十倉雅和社長、石飛修会長もSDGsへの貢献をコミットしている。

 また役員はスーツの胸に「SDGsバッジ」を付けている。「住友」の社章よりも大きくて目立つ。これも決意表明であり、社員への啓発の狙いもある。経営陣が先頭に立ってSDGsを推進するのが同社の特徴だ。

 「違和感なく進めている」とCSR推進部の福田加奈子部長は語る。「技術を基盤とした価値創造」などを掲げる経営理念とSDGsが一致するからだ。また、SDGsの前の「MDGs」(ミレニアム開発目標)から取り組んで来た経緯もあって始動が早かった。

 いま、社員への浸透に力を注ぐ。国連は本業でSDGsに貢献するよう企業に要請している。「求められるのは、世界を変えるイノベーション」(福田部長)と受け止めている。イノベーションを起こすのは社員であり「全員が理解していないと、活動に力が入らない」と認める。

 そこでSDGsをグループ社員3万3000人の“共通言語”にしようと啓発を展開。社長や役員が登場してSDGsを伝えるマンガを作成し、11カ国に翻訳した。

 2016年度には、SDGsへの貢献を社員が投稿できるウェブサイト「サステナブルツリー」を開設した。日常生活も含めて募集し、100日間で6000件以上の投稿があった。

 17年度は業務での活動を募り、同僚と勉強会を開く職場もあった。参加は延べ2万3654人、投稿が9099件となった。「理解し、次に何をするのか。その答えは自分で出さないといけない。考える集団を目指す」(同)。

 社会課題を解決する製品の認定制度「スミカ・サステナブル・ソリューション」も始めた。エネルギー・気候変動問題の解決につながる電池材料、食糧分野に貢献する農薬など34品を選んだ。レスポンシブルケア部の河本光明担当部長は「視野と視点の拡大につなげたい。グループ会社からも認定製品を掘り起こしたい」と語る。

 既存製品でも新興国や将来に目を向けると、新しい使い方を発見でき、新市場を創造できるかもしれない。一人ひとりにSDGsを浸透すると、イノベーションが次々と起こりそうだ。