11月5日から日本を訪れていた米トランプ大統領。安倍総理とのゴルフ外交や天皇陛下との会見など、終始和やかなムードのまま次なる訪問国・韓国へと向かいましたが、日本を訪れる前に立ち寄ったハワイでの様子はどうだったのでしょうか? メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』の著者でアメリカ在住の作家冷泉彰彦さんが、その様子を詳しく伝えるとともに、トランプ大統領がつぶやいて多くの憶測を呼んだ「リメンバー・パールハーバー」という言葉の意図についても考察しています。

ハワイに立ち寄ったトランプ

本稿の配信される時点では、そろそろ大統領は離日しつつあると思いますが、とにかく奇妙な訪日でした。本稿の時点では詳細を確認する時間はありませんので、本号では、大統領が日本に着く直前に立ち寄ったハワイでの様子をお話することにします。

まず、どうしてハワイに寄ったのかというと、大統領専用機の「エア・フォース・ワン」(これは大統領が搭乗した際のコールサイン)VC25Aというのは、同じ747のジャンボでも、設計の古いダッシュ200がベースになっており、航続がそんなに長くない関係で給油が必要だったからです。

無理をすれば、東海岸から横田には届くようですが、セキュリティの問題を含めて燃料には余裕を持たせるということなのだと思います。では、ハワイでは、どんな歓迎を受けたのかというと、これが結構厳しいものだったようです。

特に、前任のオバマ大統領というのは、ハワイ出身の英雄であり、ハワイではとりわけ敬愛の念は深いのですが、トランプ大統領は長年にわたって「オバマは実はケニア生まれ」、だから「大統領の資格なし」というデマが大好きで、否定されても否定されても言い続けていたわけです。

そこで、今回のトランプ来島に当たっては「ケニアへようこそ」というプラカードが登場して、全米で「大ウケ」しているのです。

そのトランプですが、当初は予定になかったそうですが、オワフ島にある「トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキ・ビーチ」に立ち寄って休憩したのも話題になっています。

ちなみに、このホテルですが、厳密には「トランプ・オーガニゼーション」直営ではなく、自分の名前を「ライセンス」で貸しているだけらしいのですが、それでも「自分のホテル」として立ち寄ったということなのでしょう。とにかく、就任の時点で約束した「自分はビジネスにはタッチしない」という約束は完全に反故にされた格好です。

さて、ハワイでは真珠湾に行ってアリゾナ・メモリアルに献花、その際に「リメンバー・パールハーバー」とツイートしたというのです。私は、訪日直前にこれでは、何とも底意地が悪い感じがしました。オバマの相互献花外交を骨の髄まで憎んでいる支持者への迎合とか、天皇陛下への会見とか安倍総理とのゴルフという行動と、自分の「同盟国にこそ厳しく」というスタイルの折り合いをつけるためと考えたからです。

ただ、朝鮮半島ウォッチャーの辺真一さん(先週、大阪でお目にかかったばかりですが)などは「北朝鮮の奇襲に備えよ」という意味だという解釈を披露されているようです。もしかしたらそうなのかもしれませんが、そこまで幅のある解釈が可能ということは、政治的には意味はないと見るべきなのでしょう。そもそも、私的な「つぶやき」が国家意思を反映しているわけもないわけで、いい加減にこの人のツイートに振り回されるのはやめた方がいいようです。

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