短期筋の外国人投資家はどこかで必ず売ってくる。今年は2013年型になるのだろうか?まずは傾向をつかんでおこう(写真:acky/PIXTA)

ドナルド・トランプ氏が第45代の米国大統領に決まってから、ちょうど1年になる。当時の日経平均株価は1万6251円と1日で900円超の急落となり、その後切り返していった。足元の日本株の急伸によって、その1年前の記憶も薄れつつある。テクニカル面からは過熱感もただようなか、過去の年間騰落や海外勢の動向等から、日本株の見通しを探ってみた。

1990年以降上昇した年は14回、平均上昇率17.7%高

日本株の出遅れ修正が一気に進んでいる。過去最高値圏で推移している米国株に対し、日経平均株価もバブル崩壊後の戻り高値2万2666円(1996年6月)をついに上回った。いよいよ「脱デフレ相場」の様相を呈しつつある。世界の主要市場と比較しても、足元は日本株の上昇が際立っている。

だが、長期的に冷静な分析も必要だ。過去27年(1990年〜2016年)における日経平均株価は14勝13敗。下落した年が13回もある。日本経済が平成バブルの崩壊からデフレに陥った期間が長かったといえ、「勝敗」は、ほぼ五分五分である。そのうち、上昇した年を平均すると「+17.7%」だ。2017年の日経平均株価は11月7日時点で、すでに年初来からの上昇率は約20%にまでに達している。

2010年以降、海外勢の売買動向をみると、アベノミクスが実質的に開始された2013年に15.1兆円の買い越し額が突出している。15兆円台は例外的な大きさといえ、他の年を見ると、買い越し額も売り越し額も年2〜3兆円台だ。では、今年の2017年はどうか。海外勢は年の前半まで積極的な売買を控えていたことから、年ベースではまだ約1.5兆円の買い越しにとどまる。

だが、週単位でみると、海外勢による日本株買いが加速している。衆議院選挙の与党大勝や好調な国内企業業績を背景に、ヘッジファンド等の短期マネーだけでなく、年金基金や政府系ファンド等の長期マネーも動き出しているようだ。もちろん、海外勢の持続的な買いも期待されるのだが、2015年、2016年は売り越しとなっており、やはり「2〜3兆円前後の壁」が気になるところだ。

しかも、足元では、海外勢は5週連続買い越し、その額は5週間だけで計2.4兆円におよぶ。確かに日本株は上昇に一段の弾みをつけているが、いったん海外勢の買い一巡もあらかじめ考えておくにこしたことはない。

11月10日〜21日で上げ一服も?

実際、2015年以降、海外勢の買い越し額が盛り上がった時期を取り出してみると、以下の通りだ。今回は違う、と言い切れる保証はない。

2015年以降、海外勢の買い越し(週次レベル)

計2.05兆円(2015年3月〜4週連続)ECBの量的緩和
計2.25兆円(2016年11月〜6週連続)トランプ米大統領誕生
計1.95兆円(2017年4月〜9週連続)仏大統領選をめぐる混乱が収束
計2.43兆円(2017年10月〜5週連続)衆院選での与党大勝


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なお、上昇と下落の日数をはかったサイクル面からもいったんのピークがうかがえる。

2015年以降における日経平均株価の上昇サイクル(安値→高値)を振り返ると、42〜49日(約2ヵ月)で上げ足が一息入っている。北朝鮮情勢の緊迫化で揺れた9月8日安値(1万9274円)を起点にすると、11月10日〜21日で上げが一服する可能性もある。

11月15日には、7-9月期GDP(1次速報値)の公表を控え、さらに国内企業の決算発表も一巡する。とすると、「当面の材料出尽くし感」から、先回りしていた海外勢の買いが今後は鈍ることも想定される。サイクルとは直接関係ないものの、トランプ大統領によるアジア歴訪が、北朝鮮を再び「刺激」することもある。

個人投資家は少なくとも、急ピッチな上げがいったん終了→スピード調整の可能性があることを、考慮に入れていただきたい。