何気ないまばたきや咳払いをする回数が多くなってきた時、「うちの子、もしかしたらチック症では?」と心配になりませんか。癖との見分け方、医師への相談のタイミングをご紹介します。

本人の意思とは関係なく起こり、やめられない

まばたきや、首をすくめる動作、咳払いなど。癖のような症状が日常で多数おこるのがチック症です。癖と大きく違うところは、神経疾患であるため、本人の意思とは関係なく起こり、止めようと思ってもやめられないこと。
チック症の原因はすべて明快になっているわけではありませんが、ドーパミンなどの神経伝達物質がアンバランスになることが関係していると考えられています。逆に止めようとすると悪化したり、緊張状態になると強まることから、精神状態も影響が。そのため、小学校への入学、クラス替えのタイミングで症状がでる子供もいます。

10歳までの男の子に多く、成長とともに症状も改善する

チック症の症状が出るのは、6歳前後が多く、ほとんどが10歳まで。3:1の割合で男児に発症することが多く、子供の5〜10人に1人が経験するとされるほど、身近な病気のひとつです。チック症を発症しても成長とともに症状は減りますが、大人になっても残るチック症もあります。

症状は「運動チック」と「音声チック」の2種類

チック症の症状は、大きく分けて2つあります。

◯運動チック

まばたき、肩をすくめる、頭をふる、顔をしかめる、ジャンプをする、手足の伸展など。

◯音声チック

咳払い、「フンフン」と鼻を鳴らしたり、相手の言った語尾を繰り返したり、同じ言葉を繰り返す。「バカ」「死ね」など汚い言葉を発したり、奇声を発する場合も。

運動チックと音声チック両方あり、1年以上続く場合は「トゥーレット症候群」と呼ばれます。これも15歳くらいまでに落ち着くことが多いといわれます。

無理に止めようとすると悪化することも

運動チックによる手の動きのせいで字を書くのが困難になる、音声チックで奇声を発してしまうので人からの注目を集め、本人が気にして登校を渋るといったケースもあります。気をつけたいのは、家族がその子の症状を癖かチックかわからないまま、治そうとすること。「やめなさい」などと子供に注意すると症状が悪化することが多数報告されています。

素人判断は禁物。日常生活に支障が出る場合は医師に相談を

前述した、運動チック、音声チックにも、動作の持続時間により、単純チック、複雑チックに分類されます。さらに、分類不明のものがあるほか、症状の個人差も。チック症は、医師でも診断が難しいとされている病気です。実際に、目の炎症によるかゆみでまばたきを多数していたのが、チック症のような習慣になってしまったという例もあるので、癖かチックかを素人が判断するのは避けた方がベター。その症状によって生活に支障が出た場合は、内科医や小児精神科に相談し、適切なアドバイスをもらうようにしましょう。
チック症と診断されても、基本的には薬物療法などは用いられません。ただし、症状が重い場合や、症状を本人が気にしすぎて悪化している場合は、薬が処方される場合もあります。

家族は見守りつつ、先生や友達にも理解を促す

家族は見守る姿勢で、決して子供にプレッシャーをかけないこと。そして、子供が症状のせいでつらい思いをしていないか、気にかけるようにしましょう。できれば、学校の先生や友達などにも話して理解してもらうことが有効です。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと