「ロレックス・パリ・マスターズ」で起きた5つのこと

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「ロレックス・パリ・マスターズ」が終了し、残るは「ATPファイナルズ」のみとなった。ATP公式サイトがこの波乱に満ちた「ロレックス・パリ・マスターズ」について、5つの出来事をまとめて報じている。

■予測の不可能性が勝利をもたらす

シーズンのオープニングウィークにドーハで行われた「カタール・エクソンモービル・オープン」で、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)とアンディ・マレー(イギリス)が対戦した時には、2016年のトップ2人がまたしても2017年を支配するかのように思えた。しかし今シーズンはラファエル・ナダル(スペイン)とロジャー・フェデラー(スイス)がグランドスラムとマスターズ1000を圧倒した。その一方で、20歳のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)は5つのタイトルを勝ち取り、そのうち2つがマスターズ1000と番狂わせを起こして世界ランク4位に浮上し、次世代のスター選手たちをリードする存在となった。

このような中、サプライズをふんだんに盛り込んだ「ロレックス・パリ・マスターズ」はレギュラーシーズンの最高のフィナーレとなった。とりわけ、ジャック・ソック(アメリカ)と予選通過者で今年初めには世界ランキングで234位だったフィリップ・クライノビッチ(セルビア)との決勝戦は特に驚きだった。ソックは、8月初旬の「ロジャーズ・カップ」以降の11試合中たったの4試合しか勝利を収めていなかったが、レギュラーシーズンの最後のウィークでは過去69回連続でマスターズ1000のタイトルを獲得していたヨーロッパの選手たちの流れに区切りをつけ、彼の中では最高のテニスを飾った。

■最後まで終わりじゃない

「ロレックス・パリ・マスターズ」が「ATPファイナルズ」の最後あるいは最後から2番目の出場選手を決定付けるという結果は珍しい事ではない。今年は残りのシングルスの選手2人は容易に予想できて、1人目は「レース・トゥ・ロンドン」で8位だったダビド・ゴファン(ベルギー)だったので驚きも少なく安定していた。しかし2人目の出場者にはドラマがあった。9位のパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)、11位のサム・クエリー(アメリカ)そして12位のケビン・アンダーソン(南アフリカ)が注目されていた。しかし彼らが初戦で敗戦後、注目はフアン マルティン・デル ポトロ(アルゼンチン)とジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)に向けられた。

しかし最後に「ATPファイナルズ」出場を決めたのは、下位の24位にいたソックだった。ジグソーパズルのように、最後のピースが置かれるまで完成図はわからない。彼は2017年レギュラーシーズンの最終日の決勝戦でクライノビッチに3-0で勝利した。

■2018年はデル ポトロに注目

デル ポトロは「ATPファイナルズ」出場を賭けたシーズン後半で見事な成績を残したが、パリでは惜しくも1試合差で敗退した。もしデル ポトロが準々決勝でジョン・イズナー(アメリカ)に勝利していれば「ATPファイナルズ」への出場権を獲得していた。

アルゼンチンにいる大勢のファンたちは「ATPファイナルズ」出場を逃したデル ポトロを見て落胆はしたものの、彼が来年トップ10に入りテニス界の一流選手たちを大いに悩ますだろうと信じるのももっともである。

■クボトとメロは強力なチームとなるだろう

2017年では6度目のタイトルをパリで獲得してダブルスの「レース・トゥ・ロンドン」での首位を確固たるものにした、ルーカシュ・クボト(ポーランド)とマルセロ・メロ(ブラジル)は間違いなく「ATPファイナルズ」でも強力なチームとなるだろう。彼らはヘンリー・コンティネン(フィンランド)とジョン・ピアース(オーストラリア)に1,270ポイントの差をつけて「ATPファイナルズ」に参戦し、今シーズン世界ナンバーワンチームの最有力候補とみなされている。

■全てのおとぎ話が実現するわけではない

「ロレックス・パリ・マスターズ」では意外で気持ちの良い物語に事欠かなかった。しかしジュリアン・ベネトー(フランス)の秘められたおとぎ話は恐らくそこから逸脱する最大のものだ。地元出身の35歳のベテランはベネトーはワイルドカードで出場し、準決勝まで駒を進める快進撃を見せたが、地元勢優勝はならずソックに敗れた。

トップ選手に相次いで怪我が起こったが、一方でナダルやフェデラーといったレジェンドの復活が目立った2017年。来年は男子テニス界がどう動いていくのか、ひき続き目が離せない。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ロレックス・パリ・マスターズ」準々決勝で敗れたデル ポトロ
(Photo by Aurelien Meunier/Getty Images)