「血液検査でアルツハイマー診断」の未来はすぐそこに

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 10月27日、千葉県がんセンターなどの研究グループは、5ccほどの血液からがんを早期に見つける検査法を開発したと発表した。その的中率は90%だという。

 これまでの研究で、健康な人とがん患者では、血中に含まれるナトリウムやマグネシウムなど『微量元素』の濃度が異なることがわかっていた。この点に着目した研究グループは、17種類に及ぶ微量元素の組み合わせを測定することで、がんの有無や種類を早期に診断することに成功したのである。

「血液検査革命」は他の研究機関でも進行中だ。

 国立がん研究センターは、1滴の血液から13種類のがんを早期診断する検査法を開発した。血液中に含まれる「マイクロRNA(リボ核酸)」を分析してがんを特定する方法で、これまでに冷凍保存された約4万3000の検体を検証。95%以上の確率でがん検出に成功した。

 また、同センターは今年8月から、新たにがんと診断された患者3000人以上の新鮮な血液を採取する臨床研究を開始。3年後をめどに薬事承認申請を目指す。

 直近では今年10月、公益財団法人がん研究会と大阪大学の研究チームが、血液検査で腎臓がんを判別できるたんぱく質「アズロシディン」の発見を公表した。研究チームは少量の血液から「アズロシディン」を測定する簡易検査キットの開発をスタートし、2〜3年後の実用化を目指している。

 期待されるのはがん医療だけではない。京都府立医科大学の研究グループは、米国で開発された高精度の装置を用い、アルツハイマー病で出現する「リン酸化タウ」などのたんぱく質を微量の血液から検出する方法を開発した。

 がんだけでなく、アルツハイマー病も血液検査だけで診断できる未来が現実になろうとしている。

※週刊ポスト2017年11月17日号