【ライターコラムfrom金沢】佐藤洸一、キャリアハイ更新なるか…本人が明かす得点を取る秘訣とは

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 ツエーゲン金沢の佐藤洸一が、キャリアハイに迫る活躍を見せている。明治安田生命J2リーグ第40節・FC岐阜戦では、石田崚真のクロスを頭で叩き込み、ゴールネットを揺らした。今季の得点数を15に伸ばし、岐阜時代に記録した16ゴールまであと一歩。「とりあえずあと1点取って並びたい」と本人も意欲的だ。

 佐藤は今季、V・ファーレン長崎から金沢へ完全移籍。ここまですべてのリーグ戦に先発しており、15ゴール5アシストという結果を残している。何でもそつなくこなす万能型で、献身的に守備を行い、ターゲットマンとしてDFと競り合う。ポストプレーで味方の上がりを促すと、ゴール前へ走り込む。そして、訪れたチャンスをモノにするのだ。また、後方からのフィードやクリアボールを見逃さず、DFラインの背後を狙う。

 あるとき、佐藤に点の取り方を聞いた。「やっぱりパッと『ここにボールが来そう』と思ったときに、一歩遅れてしまうとDFに対応される。『来た!』と思ったときには、体が動いているようにしっかりアラートにしておかないといけない。(直感ですか?)そうですね。ボールが来る前から何重にも張り巡らせておかないと準備はできない。『ここ!』というときに反応できるようにしたい」

 直感派の佐藤は「匂いを嗅ぎ分けて点が取れそうなところに入っていく」ことを追究する。柳下正明監督からFWとしての動きやプレー選択、判断について指導を受けて磨きをかける。「(点の取り方が)段々変わってきて、クロスから取れるようになっている。あるいはクロスのボールを当てるようになっているのは準備ができているから。ちょっと動いて駆け引きして、DFの背後にいって消えて出ていく、かわすことができるようになっている」(柳下監督)。佐藤自身も「『クロスに入るところで入り過ぎないように』と最初から言われていた。入り方を変えて、うまく合うようなったと自分でも感じている」という。

 ただ、良い意味で“読めない”ところも佐藤の魅力だろう。柔らかな足技でスタジアムを沸かせてDFと入れ替わることもめずらしくない。第36節・愛媛FC戦の2点目は、難しいボールにもかかわらず絶妙なボールコントロールだった。「本当に不思議な選手」と話す柳下監督によると、松本山雅FCの反町康治監督も「『不思議だよねー』と言っていたよ」とのこと。緻密なスカウティングで有名な敵将でさえ読み切れないらしい。

 今季も含めてJ2での2桁得点は5度目。加入当初は精彩を欠いた過去2年について「そういう年もあるということで……」と言葉を濁したが、ストライカーは完全復活を果たし、正真正銘、金沢のエースとなった。

文=野中拓也