前回、雨のFISCOに散ったDai-Zを紹介しました。今回は、この日と、そして第2戦の参加マシンから注目のマシンをチョイスし、紹介します。

現在はストリート仕様RBエンジンは10秒切り当たり前? でもでも、この時代はDRAG専用に作られたマシンでも10秒切りはなかなか難しい・・・そんな時代です。では、懐かしのマシンたちをドーゾ!

カーショップ・ヨネダZ 13.715秒
ウエットにもかかわらず、自己最高を更新、グループ3、1位!

グループ3で並みいる強豪を抑え堂々1位に輝いたのが、カーショップ・ヨネダの3LメカチューンZだ。

エンジンは89×73mmのショートストローク版2947cc。バルブヘッド、ポートなどはオリジナル加工。ゼロヨン時のレブリミットは8000rpmだ。ボディは240ベースで1t以下に軽量しているが、今回はグループ分けの関係で、バラストを積み1027kgとしていた。

サスはハヤシのテーパーコイルにカヤバオイルダンパーの組み合わせ。タイヤはダンロップ・レーシングのレインを使用。ミッションは240ノーマル。デフは3.909を組む。過去のベストタイムは13.81秒。ウエット状態で自己最高を更新したのだから、スゴイ。それだけに、レイン対策を十分に行ってコース入りしたのが、勝因だったと思われる。

安全自動車パブリカ 15.508秒
パブリカにRE13Bも悪くない!?

パワフルで軽いロータリーを、軽量車に搭載してゼロヨンに挑戦するアイデアは、RE雨宮だけのものではない。この安全自動車パブリカは、41年式のパブリカ・コンバーチブル(UP20)に、ノーマルの13Bを搭載したものだ。

ミッションは12A用、デフは210サニー用を使う。サスはギャラン112Aのレース用改造と、アイデアのカタマリのようなマシンだ。タイムは15.508秒! 強豪の揃うG4で20位につけたのは立派!

オートショップひたちスカG 14.992秒
あのワークスRが復活!?

ついにスキャットDRAGにあのニッサンワークスGT-Rが登場?と思わせたのが、このオートショップいたちのスカイラインだ。

エンジンはS20ならぬL型2947cc。76度カムとソレックス50φをセットしたオリジナルチューンだ。ミッションはレース用オプション1、デフは3.545を組む。注目のボディはいかにもワークスRらしく仕上げられている。軽量化も車重1032kgとかなりのもの。タイムは14.992秒とG3の8位に終わったが、楽しみなマシンだ。

坂本オート・ドラッグZ 11.832秒
LY型3.1L+ニトロは400ps以上!?

ベースの240Zボディは徹底的に軽量化され、わずか750kgしかない。カウルはFRP製だ。エンジンも車内にはみ出すほど、後方マウントされ、前後重量配分は55対45と理想的なバランスである。

エンジンは日産オプションのLY型、通称R390。クロスフローヘッドで、スポーツコーナーにも7〜8基しかストックのない貴重なヘッドだ。チューニングはスリーテックで行われ、クランクシャフトをLD28型83mmストロークに変更し、2868ccから3090ccへスケールアップ。これにNOS製N2Oインジェクションを併用する。

L型6気筒N2Oはセッティングが難しいが、ベンチで煮詰められ6000rpmあたりから爆発的なパワーを発揮する。400ps以上は確実という国内最強のL型だ。ファイナルは5.134。この速さは驚異的だ。超軽量とはいえ、フロントエンジンのZがスタートでウィリーするシーンにはド肝を抜かれる。気候や路面などのコンディションがベストなら、10秒台に突入するのも夢ではないかもしれない。

平和モータースRE13Bサイドターボ・スターレット タイム-
横浜銀蝿仕様ロータリー・スターレット!

あちこちで人気のあるREエンジン。平和モータースでは、KP47スターレットに搭載した。しかも、13Bサイドポートチューンが施してある。シグマ製KKK・K26ターボもボルトオンだ。ターボはステージI仕様で、インタークーラーやウエイストゲートは付いていない。ドラッグには不要というわけ。

ボディもドラッグ用に作りかえ、左右フェンダーとボンネットはFRP製。ミッションはRE12A用ノーマルで、ファイナルを3.909に設定。このショップ、横浜銀蝿と仲がいいこともあって、ボディに大きくペイントしてあったのが印象的。

近藤パンテーラ351 12.389秒
ボルトオンN2Oがベストマッチ

コンスタントに好タイムをマークする、近藤パンテーラ。その勝因は、ボルトオンタイプのN2Oキットが巧みに効果を発揮している点だ。そのN2Oスイッチはシフトノブに付いている。

むろん、エンジンチューンも抜かりはない。フォード351(5.7L)はホーリー850シングルキャブ仕様だが、トップス+プラスワンが手掛け、特にプラスワンは横浜のパワーボート用エンジンチューンで有名。本場のV8ノウハウが投入されているわけだ。

ミッションはダグナッシュの5速。ファイナルギアはノーマル。強烈なトルクで、スピードのノビは圧倒的だ。タイヤはレーシングだったが、ドラッグスリックを採用すると、11秒台確実。ドラッグブームでV8パワーを再確認させるマシンの1台である。

吉田レーシングZ 12.980秒
ヤッタゼ! 街乗り仕様で12秒台!

オーソドックスなメカチューン+レーシングスリックで絶妙のスタートを切り、ベストタイムをたたき出したのがこの吉田レーシングZだ。

ボア×ストローク90×83mmの3166cc。74度のカムで、圧縮比は11。キャブはソレックスを装着する。シフトアップポイントは7500rpmで、推定出力は280ps。ミッションは240用で、ファイナルは4.1と低い。ショックは吉田オリジナルで、コイルはノーマルをカットしただけだ。タイヤはフロントがアドバンHF195/70HR14、リヤにDLレーシング300/620-13を履く。

ウインドウ&リヤハッチはアクリルで軽量化してあり、助手席などは当然、外してあったが、いわゆる純レース仕様ではない。ナンバー付きで、いつも街乗りに使っているマシンなのだ。それにしては、DRAGレースで13秒を切るこのタイムは、驚異的である。

SAKOレーシング13Bサイド・ツインターボRX-7 15.443秒
ハイチューンの熟成に期待!

関西では珍しいREチューンのSAKOレーシング。オリジナルのクロスポートや圧縮を下げられるローターの開発など、意気込みを感じさせるショップだ。日産純正のギャレット・エアリサーチのT03ターボをツインにしたホットバージョン。

ターボキットはインタークーラーはないものの、ウエイストゲート、リリーフバルブ、ブローオフバルブなどの重要補器類はちゃんと付いている。ブーストは0.7kg/cm2と、ロータリーにしてはかなりのハイブースト。それで8000rpmまでは十分いけるハズだった。エンジンは13Bのサイドポートチューンが施されており、ウェーバー48φと相まってかなり高水準にある。

ターボとのマッチングが良ければイイ線いくのだが、4.1のデフにノーマルギヤ比のミッションでは、ちとキツイ。他のボディモディファイや軽量化など、大幅にはやっておらず、ストリート仕様、リヤシートを外した程度だった。タイヤもレーシングスリックで臨んだ。ともあれ、REツインターボの熟成を見守りたい。

Mレーシング・チョッパーZ 14.300秒
これぞスペイシー? 最高速が待ち遠しい驚異のスーパーチョッパー登場!

関西の雄、Mレーシングが、またまた強烈な個性あふれるニューマシンを誕生させた。これがもう、限界といっていい、カリカリのチョップドZだ。しかも、ルーフがテールエンドまで1枚のアクリル板でカバーされ、SF的なシルエットが強烈な印象を与える。ベースは240z。

Mレーシングお得意の3.2Lメカチューンで、目標360ps! ポートはオリジナル。マル秘のカムとウェーバー45改のキャブで武装し、レブリミットは7800rpm。点火系は日立フルトラを使用する。ミッションはz432用で、ファイナルは3.545。足まわりはビルシュタインのショックにレース用強化コイルを組み、タイヤはフロントがピレリP77・205/70R14、リヤはBSレーシング12.0/23.5-13を装着。

ボディは一見、軽そうだが、実際には超オバフェン仕様のGTS・Zと同等だという。「このZは最高速を狙って作ったんや。今日はぶっつけ本番で、ちょっとカムが大きすぎたかなぁ。今日のパワーは270psくらいやな」と、Mr.Mのコメント。ゼロヨンもさることながら、早く最高速テストに引っ張り出したいマシンだ。

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3回ほどDRAGネタを紹介していると、ついつい現在のDRAGレースも見てみたくなってきました!! ってことで、11/23にもてぎサーキットで行われるシュートアウト(0-1000フィート)を観戦しに行きましょう! この日エントリーをしている「BNR32 ガレージザウルス・チューン」のシュートアウト・コースレコードホルダーの走りや、いかに!?

[OPTION 1982年6月号・8月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

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