『論理のスキと心理のツボが面白いほど見える本』(ビジネスフレームワーク研究所:編/青春出版社)

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 正しさだけでは人は動かない。時には共感し、時には突き放し、相手に合わせた適切な対応をしなければ、自分の要求を通すことは難しい。もちろん、相手の心を掴んだとしても論理にスキがあれば興ざめだ。

 人を説得して、自分の要求を通すためには、抜けのない「論理」を組み立て、「心理」のツボを突くプレゼンが必須。そんな「論理」「心理」の両面からアプローチする方法を教えてくれるのが『論理のスキと心理のツボが面白いほど見える本』(ビジネスフレームワーク研究所:編/青春出版社)だ。

 本書に掲載されている「論理」「心理」のテクニックに加えて、タイプ別の攻略法をいくつか紹介したい。

■【論理】マクロからミクロへの視点移動で論理破綻を防ぐ

 例えば、コンビニAの売上をUPさせたい。だが、そのお店の中だけで「棚配置を変えてみてはどうか」「商品○○をもっと仕入れてみよう」などと考えるだけでは、スムーズに答えを導き出すのは難しい。できたとしても、それは当てずっぽうで“論理的”とは言えない。

 では、どうするか。コンビニAだけで考えるのではなく、コンビニB、コンビニC、コンビニD……と広い範囲で検証する。必要であれば、コンビニ以外にもスーパーやデパートなど小売店全般を見比べてみてもいい。これが「マクロ」な視点。このように俯瞰で見渡せば、これまで見えなかった問題点を洗い出すことができるはず。

 まずは全体を見る「マクロ」視点から、自分の周りを見る「ミクロ」視点へ切り替えることが、論理破綻しないで考えられる秘訣だという。

■【心理】好意的ではない相手には「スリーパー効果」を使う

 最も説得が難しいのは、自分が相手に嫌われている場合だ。そんな時は匙を投げたくなってしまうもの。しかし! アプローチ次第でそんな逆境をひっくり返すこともできるという。

 この場合、長期戦を覚悟する必要がある。相手に嫌われ拒まれても、自分が好意を持っていることを伝え、1週間〜2週間ほどの間隔で好意を伝えるメッセージを繰り返し伝える。このようにインターバルを空けることで、相手が持つネガティブイメージが薄まり、次第に好意を伝えたメッセージが心に刷り込まれていく。

 一度断られただけで「もうダメだ…」とあきらめてしまうのはもったいない。根気よく続けていけば、道が拓かれることもあるのだ。

■【タイプ別攻略法】矛盾した論理を振りかざす「疑り深い人」に効くひと言

 何事にも疑り深く、思い込みが激しい人がいる。このような疑り深い人の思い込みは心理学では「投射」と呼ばれ、その人自身が普段からウソをつく、誤魔化しているからこそ、反発してしまうそうだ。

 このようなタイプの対処法は真っ向から相手にしないこと。考え方がおかしいといさめる、間違いを指摘するのは火に油だ。自分の正当性を一生懸命主張し、こともあろうに事実を歪曲して反論することもある。

「そういう考え方もあるんだね」と突き放し、暗に自分は意見が違うことを匂わせる。こうすることで互いに意見をぶつけ合うよりも、相手の心に届くそうだ。

「仕事で交渉する機会などない」と本書で述べられているようなテクニックは不要だ、と考える人がいるかもしれない。しかし、ちょっとしたお願いを通す時や、意中の相手にアプローチしたい時など、様々な場面で応用できる。

 そして自分は使わなくとも、これらの知識を知っていれば「これは本に書いてあった○○のテクニックだ」と冷静に対処できる。相手の意図を理解するためにも是非学んでおきたい。

文=冴島友貴