宮崎交通の路線バス車両内に設けたヤマト運輸の宅急便荷台スペース。(共同通信イメージズ=写真)

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■路線バスで「荷物」を運ぶ

日本の物流が大きく変わるかもしれない。

貨客混載とは、バスなど人を輸送する乗り物で荷物を運ぶこと、あるいは貨物を輸送するトラックなどで人を運ぶことを指す。後者は安全面から難しいため、現状は基本的に前者の意味合いが強い。

従来は道路運送法で一部の路線バスのみに認められていた貨客混載だが、今年9月の制度改正により、貸し切りバスやタクシー、トラックでも貨客混載が可能になるなど、適用範囲が大幅に広がることとなった。

たとえば、地方では人口減でバスの利用者が減る一方、宅配貨物は増加しており、ドライバー不足が深刻だ。

札幌大学の千葉博正教授は「貨客混載の導入で、ドライバー不足の解消と同時に、収支悪化に悩むバス会社にも運送会社からの運送料が入り、経営が改善する」と話す。

■客の少ない時間帯でも、運送料が取れる

実際に2015年から岩手県北バスとヤマト運輸が、路線バスの車両の一部を改造して貨物スペースとした貨客混載を開始している。

荷物の積み下ろしはヤマト運輸側が行うが、宅配ドライバーの数は減らせる。バス会社にも乗降客の少ない時間帯に、運送料を取れるメリットがある。試みは成功し、現在も運行中だ。

今後の展開は「顧客宅までの運送はまだ難しいが、制度改正で地元のタクシーとの貨客混載も視野に入ってくるかもしれない」(千葉教授)。

(相馬 留美 写真=共同通信イメージズ)